3.夕食と1日の終わり




山本的まとめが炸裂した後。
獄寺と山本に連れられアジトの中を案内される。

「ひっろいなー…」

家の中で迷子になりそう、と思ったままに感想を漏らせば2人に笑われた。山本のさわやかな笑いと獄寺のバカにしたような笑い。うん、やっぱりこの2人はイメージ通りかも。

「みんなで住んでるからなー」

「そっかーええなぁ楽しそうで」

「楽しいぜ!あ、ここはオレの部屋なのな!」

そう言った山本はドアを開けて中を見せてくれた。

「へーこれまた広いなあ!」

「いつでも遊びにきていいからな!なまえなら大歓迎だぜ!」

「本間に!?ありがとー!」

「何なら今夜一緒に…」

「何言ってんだ野球馬鹿!」

「…別にトランプでもしよーって言おうとしただけなのな」

「嘘つけぇ!」

獄寺のつっこみを無視してニカッと笑った山本。
相変わらずまっぶしいなその笑顔!

「いやー山本は変わってへんなぁ。いや、かっこよさはみんなと同じく増してるけども。さわやかやー黒くないもんなー」

「ハハハッ、ありがとな!」

「いや、さっきの発言とか黒いだろ。なまえ、気をつけろよ。」

「何がだ獄寺?」

「………」

あれ…?今の笑顔若干ツナやリボーンと似てたよーな…
いやいや山本に限ってそれは…

「さ、なまえ!次行こうぜ!」

うん、今の笑顔はさわやかさ120%!さっきのは気のせいってことにしとこ。



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「お、ヒバリ、ここにいたのな!」

「お前何で昼飯来なかったんだよ。10代目から来るように言われてただろ!」

「別に僕の勝手でしょ。その子誰?」

引き続き山本と獄寺に案内してもらっていると、廊下で出会ったのはあの雲雀さんやった。

「うっわ、雲雀恭弥!本物やー!!」

かっこい!雲雀さんも大人やん!

「関西弁…君が沢田綱吉の言ってたみょうじなまえか。違う世界から来たって本当なの?」

「あ!ヒバードもおるやん!かわいい!並中の校歌うたってくれへんかな」

「人の話聞いてる?咬み殺すよ」

「うわ、本間に咬み殺す言うたで!ははは…ってちょっ!冗談やん睨まんといてや!」

あかん調子乗った。ナマ雲雀恭弥&ヒバードに興奮して思いつくままに喋ったら雲雀さんがものすごく不機嫌そうな顔で睨んでいた。

「君が悪いんだろ」

「わああ!ごめんて!すみません!」

トンファー構えて本気で咬み殺す体制やったからとりあえず全力で謝っといた。
実物迫力ありすぎやろ。冗談通じへんなぁ。

「ふうん、まあいいや。気に入ったよ、みょうじなまえ」

ふっと笑った雲雀さん。
え、会話の流れおかしない?なにがまあいいんや。

「ヒバリ、なまえはオレのだから手ー出さないでくれな!」

「いや、あたしが山本のとか初耳やけど」

「誰のものだろうと関係ないよ山本武。むしろ人のものだと思うと更に手にいれたくなるよね」

「いやいや、おかしいやろ」

「負けね―のな」

「僕に勝てるわけがないよ」

「おーい、話聞いてます?」

さわやか笑顔対不敵な笑み。え、なにこれあたしどーしたらいいん。


「おい、なまえ行くぞ。そろそろ夕飯だ」

どうしようかと思っていると獄寺が言った。

「え、あの2人は?」

まだ睨み合ってるねんけど。

「ほっとけ。そのうち着いてくるだろ。」

そう言って歩き出した獄寺について歩く。と獄寺の言った通りしばらく行ったところで気付いた2人が追いかけてきた。

「獄寺すごいなぁ…」

「は?なにがだよ」

「いやー中身も大人になったっていうか…」

だって山本はともかくあの雲雀さんの扱いに慣れてるところとかさ。すごいと思う。

「…さすが10代目の肩甲骨?」

「右腕だ!!」

「…!ナイスツッコミ!」

「なんなんだよ!」

いやーここに来てからつっこみどころが多すぎて全然ボケれてなかったからな。ボケたらつっこむの基本やからな。いやよかったよかった。



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獄寺のツッコミセンスを発見しあたしの相方に任命したところで(もちろん勝手に)

昼食を食べた広間に戻り、今度は夕食をいただくことになった。

「おぉ!パスタや!美味しそー!これも山本が作ったん?」

「いや、これは獄寺が作ったのな」

「へー、さすが!イタリアンやな!いただきまーす!」

手を合わせてひとくち。

「美味しい!パスタとかおしゃれなもん久しぶりやわ」

「おしゃれって…普通だろ」

「いやいや、うち夕飯にパスタとか出てこんで」

せいぜい休日の昼ごはん。しかもレトルト的なん。麺類ならうどんとか焼きそばやな。

「なまえは料理できるの?」

「えっと、まあそれなりに?ツナは?」

「オレはしないよ」

ん?しない?

「…できないじゃなくて?」

「10代目はお忙しいんだ!」

「へー…」

あれやな。獄寺は大人になってもツナへの異常な尊敬はそのままなんやな。
ま、ええけど。

「山本は料理上手やんな。昼ごはんも美味しかったし!」

「ははっ、一応寿司屋の息子だからな!」

「そっかーいいなぁ!」

「またなまえのために寿司握ってやるよ!」

「本間に!?ありがとう!」

「クフフ…それより僕はなまえの手料理が食べたいですね。」

あたしと山本の会話を聞いていた骸が言った。

「えー…」

「何ですかその反応は」

「いやー作っても骸の口に合うかどうか…」

だってあたしの料理普通やし。ていうか庶民の味やからな。

「合わないよ」

「えー…」

横から聞こえてきた声。何でそんなきっぱり雲雀さんが言うんや…

「なまえはそんなやつじゃなくて僕のために作ればいいよ」

「いや、何でそうなる?」

「そうだよ、なまえ、オレのために作ってよ」

「オレは何でも食べるぞ!」

「僕もなまえさんの料理食べてみたいです」

「こんなやつらよりオレのために作れなまえ」

「ツナ、了平さん、ランボ、リボーンまで!」

なんなんみんなどうしたん

「じゃあなまえ今度一緒に寿司作ろうぜ!」

「山本武、抜け駆けする気?噛み殺すよ」

「なんのことなのな?」

この2人また火花散ってるー!

「ちょっと待とう!?あたし作るとか一言も言ってへんからな!」

「そうだ、それなら明日から毎日なまえが夕食当番に加わればいいよ」

「なんでやねん!人の話聞こうや!」

「僕は別に構わないよ」

「オレもいいと思うのな」

「僕も賛成ですね」

「えー…」

そんな次々と…

「全員賛成だ。なまえもいいな?」

リボーンがニヤリと笑って言った。いいな?って拒否権ないやん…

そんなこんなで明日から夕飯当番に加わることになった。あたしは彼らには逆らえない。

「ちなみにオレは当番とかないから」

「えー…」

当然のようにしれっと言い放ったツナ。やっぱ料理できひんのちゃう。言わんけど。

「明日から順番に骸、お兄さん、雲雀さん、ランボ、山本、隼人ね。」

「クフフフフ…明日はちょうど僕の当番ですね。よろしくなまえ」

「…よろしくお願いします」

1発目が骸か…うん、がんばろう。

「さ、そろそろ解散しようか」

ツナが言うとみんな風呂入ろーとか部屋戻るかとか言いながら散っていった。よし、あたしも部屋戻ってシャワー浴びて寝よ。と思ったらなまえはちょっと待ってと呼びとめられた。

「なに?」

「1つ聞きたいんだけど、オレと会う前…なまえのいた世界では何があった?爆発って言ってたよな」

「え?うん、最初にも言った通り、道おったら爆発があって吹っ飛ばされて…あ、テロリストがどうとかって聞こえたな。多分1回気失って、気づいたら目のまえにツナがおった。」

「そっか…分かった。ありがとう。部屋覚えてるよね?今日はゆっくり休みなよ。おやすみ。」

ツナは少し考え込むような表情をした後そう言って笑った。

「うん、ありがとー?」

なんやったんやろ真剣な顔して。…まあいいか。今日は疲れたしさっさと寝よ。



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「……オレは爆発が起きた道のまん中にいる一般人を見つけて、それがなまえだったんだけど…リボーンどう思う?」

「そうだな…あいつが嘘をついてるようには見えない。トリップっていったか。そういう現象がないとも言い切れないな」

「そうだよね。パラレルワールドとかもあるわけだし…」

「まぁ今は何とも言えねーな」








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