10.第1回雑巾レース




翌日。
今日の夕飯当番はランボとかーと思っていると廊下を歩いているランボを発見。

「ランボ!何してんの?」

「なまえさん!今から掃除するんです!」

振り返ったランボの手には箒とちりとり、雑巾。

「へーランボ掃除とかやってんねや…」

こんな広い屋敷やからお手伝いさんとかがやってんねやと思ってた。イメージ通りっちゃイメージ通りやけど。

「まぁさすがに屋敷全部をやる訳じゃないですけどね。見てくださいこれがこの前もらったトイレそうじがんばったで賞です」

誇らしげにがんばったで賞を見せたランボ。

「うわーめっちゃ見覚えあるわ。ツナに見せてたやつやん」

「え?」

「ううん、何もないよ。あたしも手伝うから掃除始めよ!」


はたきで埃を落とし掃除機やら箒やらを使って掃除を進めていく。

「最後は雑巾がけですね」

けっこうな時間をかけて掃除を終わらせ、最後に残った雑巾がけ。

「なっがいなぁ…」

目のまえに広がるのはみんなの部屋がある廊下。本間に長い。果てしないやん。

「なまえさんこれが終わったら夕飯作りです!頑張りましょう!」

「おう!あ、そーや、いいこと思いついた!ランボ、競争しようや!」

「競争ですか?」

不思議そうな表情のランボ。学校とか行ってなさそうやしやったことないんかな。

「そう!こっちの端から向こうの端まで!な!いいやろ?」

「分かりました。やるからには負けませんよ!」

「あたしも負けへんで!!あ、せっかくやか何か賭けようや」

「いいですけど…何を賭けるんですか?」

うーん、ジュース奢りとかは無理やもんな。あたしお金ないし。…そーや!

「罰ゲームにせーへん?負けた方が勝った方の言うこと1つ聞くねん」

お金もかからんし楽しそうやし我ながらいいアイデア。

「…面白そうですね。分かりました」



ランボの賛成をうけ、雑巾を絞って廊下の端にスタンバイする。

「よし!じゃあ準備いい?」

「はい、いつでもオッケーです!」

「行くで、よーい…スタート!」


こうして第1回雑巾レースなまえvsランボがスタートした。

先に前に出たのはランボ。
…早い…やるなランボ。でもまだまだ廊下は長いんや。
…と、その時丁度部屋から了平さんが出てきた。

「…!ランボ!前!」

「うわぁ!」

慌てて声をかけるが時既に遅し。あたしの声で顔を上げたランボはそのまま了平さんにぶつかった。

「どんまい、ランボ。ちゃんと前見なあかんな!お先やで!」

ランボを抜かし先へ進む。
あのタイムロスは取り戻せへんやろ。この勝負もらったな!と思った時だった。

「あ、なまえさん!」

ランボの声に顔をあげると目の前に部屋から出てきた山本。そして衝突。
人のこと言えねぇ!

「なまえ!?」

「ごめん山本!今勝負中やからあとでちゃんと謝る!」

「勝負…?」

そうやってる間にランボが追いついてきた。
?を浮かべる山本をよけて再びスタートする。勝負はほぼ互角。ラストスパートや!

「この勝負もらったー!!」

「オレも負けません!!」

お互い最後の力を振り絞ってもうすぐゴール!というとき、正面のドアが開いて中から人が出てきた。もちろんあたしたちは避けきれず、その勢いのまま正面衝突。


「いったー…もうすぐゴールやって時に…誰やねんもう!」

「なまえ…何してるの…?」

頭を押さえながら顔を上げるとそこには天使のような笑顔をはりつけた悪魔、否、沢田綱吉がいた。

「ひいっ!ツナ、何で…」

てゆーか怖いわその笑顔!怒られた方がましやわ!

「が・ま・ん…」

「はっ!ランボは…!?」

隣を見ると今にも泣き出しそうなランボ。その前には怒りのオーラを纏ったリボーンがいた。

「…2人とも掃除してたんだよね?」

やばい、超怒ってはる。何とかせな。

「してたよ!してました!な!ランボ!」

コクコクと首を縦にふるだけのランボ。
あかん恐怖刻まれとる。あたしの後ろで頷いてるだけじゃ説得力に欠けるやん!

「そう。じゃあ何でオレたちにぶつかったの?お兄さんと山本にもぶつかったみたいだけど?」

「それは…!」

「2人とも夕飯の準備までまだ時間あるね。詳しく聞かせてもらおうかな」

ニコッ!じゃねぇ!!だから怖いってその笑顔!

「ツナ、なまえがお前の笑顔怖いって言ってるぞ」

「へぇ…」

「ちょっ、リボーン!いらんことを…!じゃなくて!ごめん!謝るからほんまその笑顔と銃突きつけんのやめてください」



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「さー、気を取り直して夕飯作ろか!」

「はい!」

あの後ツナとリボーンの最恐コンビにこってり怒られた。これは美味しいもん作って挽回するしかないやろ。

「で、何作りますか?」

「そうやなぁ…ランボ何か食べたいもんある?」

「そうですね…特には…あ、なまえさんの好きなものが食べてみたいです」

少し考えた後にこっと笑って言ったランボ。

「あたしのすきなもの…?」

そりゃたこ焼きやな。テスト前に食べたきりやから久しぶりに食べたい。でもここにたこ焼き機があるとは思えへんしなぁ…

「…あ、ホットプレートならある?」

「(なら?)あったと思いますけど…」

「よし!じゃあお好み焼きにしよう!!」

「おこのみやき、ですか?」

「うん、みょうじ家直伝めちゃ旨お好み焼き!」









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