4月1日 | ナノ






※タイトルと内容はまったく違います
※触手表現があります。触手×臨也
※R18です
※臨他がかわいそうで血の表現があります





目の前に現れた、おどろおどろしいその化け物に、俺は逃げることもできずその場に立ち竦んだ。巨大な暗闇で作り上げられたそれは頭部のような場所から伸びる黒い影を蠢かせている。金切り声のような鳴き声を響かせ、その触手が俺の体を絡めとった。
みるみるもちあげられ、気付けば化け物より高く掲げられていた。抵抗しようにも体が固まってしまって動けない。ただがくがくと震える体に、触手がぞわぞわと這い始める。
制服のベルトのバックルが、ばきりといやな音で壊された。シャツをたくし上げるように進入してきた触手は腹を這い、胸まで到達する。二股にわかれた触手は胸の突起をつまみあげ、さらにそこからのばされた触手は鎖骨を通り、悲鳴も上げることができずただがくがくと震えていた口の中へと入ってきた。
バックルを壊した太い触手はいくつもの小さな触手へとわかれ、スラックスへと進入した。太ももや腰をこすり上げ、下着のゴムをもちあげると一斉に数本の触手が進入してくる。

「ひ、ィあ、やめろ…!や、やめっ」

声を出せば情けなく震えていて、歪みきった空間に響いた。がっしりと拘束された足が徐々に開かされていく。
スラックスを抜き取り、下着も取り去られる。露になった下半身には無数の細い触手が這い回っており、気持ちが悪い。
するといままで太ももを這っていた触手が、つつと性器へとその先端を延ばした。そのままぐるぐると性器にまきつつき、上下にこすり始める。

「あ、あう…ひ、やめ、やめ、て、うあっ」

熱を持ちはじめた性器の先端に、触手が這い回る。筆のような形に変形した触手は尿道口へあてがわれた。そしてそのままぐりぐりと先端へ埋め込むように回転し始めた。

「あ、ああっ!ひ、やあっ!なに、す…!うあ、あん、ひう…っ」

ぎくりと背筋を弓なりに反られ、その強すぎる刺激から逃げようともがくも、地に足が着かない状態ではいくらそうしたとしてもたいした意味は持たない。逆に触手の拘束が強まってしまった。

「あ、あああ、やだあ、!たすけ、てっ…!だれか、!う、ひいあっ!」

せめてもの抵抗に大声で助けを呼ぶ。しかしこたえてくれるものはいない。
もうだめだ。俺は、このまま、このおかしな化け物に体をいいようにされ、殺される。いやだ、いやだ、だれか、だれか、たすけて!

「死にたくないだろう、折原」

響いたその声に、は、と息を飲む。99だ。99の、声がする。

「99っ!た、すけてっ!こいつ…うあ、ああっ…くそ、っ!離せ、化け物っ!ひあ、あ、っ!」
「かわいそうに。そんなふうにされてしまったんだな。だが、俺はお前を助けてやることはできない。」
「そ、んなっ…う、あんっ!やあっ!こすっちゃ、だめ…あ、いたあっ!いたい、あ、あああ、」

足音を立てることなく、俺の下へとやってきた99は、変わらぬ表情で助けてやることはできないと告げた。
その間にも触手の動きは止まらず、性器の先端をこすっていた触手は先をとがらせ、ずぶずぶと尿道口へと侵入を開始した。残った触手たちは動き回り、腰を撫で回していた触手がだんだんと下へ降りてきた。尾てい骨をくすぐり、割れ目を通り、後孔に達する。進入しやすいように触手が左右に分かれ、双壁を割り開くと、中心の後孔が露になった。そこに、びゅ、と勢いよく液体が吹き付けられる。冷たい感覚に背筋が粟立つのを感じた。

「や、やあっ!なに、つめたい、やだあ!99、!やだ、助けてよおっ!」
「だから、俺は助けられない。ただ、助かる方法が、たった一つあるぞ、折原」

魔女の蠢く黒い体を軽やかに上り、99は俺に視線を合わせた。

「俺と契約して、魔法少女になればいい。そうしたら、こいつを倒す力を与えてやれる。」

99は一言一言、俺に教え込むようにそう言った。その真っ黒な瞳はなにもうつしていない。まるで、この魔女のようだと。いや。それよりもっと、悪いもののようにみえた。
びきり、と体が裂かれたような痛みが全身に走った。
太く連なった触手が、まだ慣れてもいない、ほんのすこしの液体でぬらしただけの後孔に進入したのだと気付くには、太ももにつたう生暖かい血の感覚だけで充分だった。

「あ、い、あああ、いたい、よおっ…!ひい、あ、いたいぃ…っ」

体はがくがくと痙攣し、喉は空気をはきだせず、ひゅ、と空気音だけが響いた。きつく閉じられた後孔にかまわず、触手はぐるぐると回転し無理やりに押し込もうとしてくる。そのたび切れた場所から血が流れた。

「やだあ、たすけて、あ、あああ、いたい、いたいよおっ!だれか、やだ、しずちゃん!しずちゃん、たすけ、てえ!」
「ここに平和島静雄は来ないさ。お前をたすけることができるのは、お前だけなんだよ。折原。」

「だから、俺と契約して、魔法少女になれ」

契約。契約して魔法少女になれば、これから開放されるのか。この痛みから。この憤りから。この、屈辱から。シズちゃんに、絶対魔法少女になってはだめだと、今までの俺のままで言いと、いわれた。だけど俺はもう、だめだ。変わってしまった。こんな化け物に犯されて。涙を流して。そんな姿を99にみられて。かわってしまったのだ。
だったら、



「だれが、こないって?ああ?」



爆発音。そしてそのあと響いた、ここ数日で随分聞き慣れた声音。
そこには、俺が待ち焦がれた金色の髪が揺れていて。にぎられていた道路標識や、普段穏やかな茶の瞳が怒りに揺れているのを見て。

「シズ、ちゃん…」

俺はそこで意識を手放した。




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ずうん、と魔女が崩れ落ちる。とらわれていた臨也の体を受け止め、その体にもってきた自らの制服の上着をかけてやった。手首や足首には拘束された痛々しい赤い痕が残っている。
くたりと力の抜けた体の血色はひどく悪く、青白い。ふれた体の温度はとても低い。
死んでしまっているような顔色で、ようやっと聞き取れるくらいの呼吸を繰り返していた。
その細いからだを折れないように抱きしめる。早く帰って、どうにかしてやらなくては。
さらさらと崩れだした結界から出ようと足を進めると、どこからか99が現れ道を塞いだ。

「手前…よくも俺の前に顔だせんなあ、ああ?」
「平和島静雄…お前いったいなんなんだ?お前は魔法少女のなかでも、イレギュラーすぎる。…何を、知っている?」

表情はかわらず、そう問いかけてくる99を一瞥し、静雄は吐き捨てるように言った。

「手前のくだんねえ企み全部だよ」





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