小説 | ナノ


※臨也幼児化


やられた。新羅を信じた俺がバカだった。数日前からなんとなく体が怠かったから、新羅に診てもらうためにマンションを訪ねた。新羅はいつもどうりの表情でいつもどうり話すものだから、まさか一服盛られるとは思ってもいなかった。

新羅に応急処置だと言われ、注射器をぶっさされそうになった時点で気がつくべきだった。
注射器に入った透明な液体が注入され、俺の体はみるみる縮み、今は本来の身長の半分位になってしまっている。

「……………。」

「やったね臨也、大成功だよ!」

俺の遥か頭上で新羅は高らかに言い、満面の笑みを浮かべた。その横では運び屋がなにやら体を震わせて俺を見下げている。俺はだぼつくアンダーシャツを手繰り寄せ、できる限り2人を睨んだ。

「そんな大きさでそんな顔してもねえ。いやーそれにしてもすごいなあ、こんなに綺麗に縮むなんてね。」

新羅はひょいと俺を抱き上げ、ぐにぐにと頬を引っ張った。殴ってやろうと手を伸ばすも、空をかいてしまう。
隣で見ていたセルティは、有り得ない速さで文字をPDAに打ち込み新羅に見せた。

「抱きたいの?でもこれ、中身は臨也だよ?」

新羅の問いかけにまたも目にも留まらぬ速さで返事をすると、運び屋は新羅から俺を受け取る。おい、つーか、ちょっとまて!

「新羅…いったい何を考えているのかな?」

発せられた声が思いの外高いことに更なる嫌悪を感じながらも俺は新羅に問いかけた。

「いやー、そろそろ子供がほしくってね…いたいいたいごめん嘘だよ。いや、子供がほしいのは本当なんだけどね、まあ臨也みたいな歪んじゃった子供はいらないかな。」

新羅を殴ってやろうとしたが、その前にセルティの影が新羅を見事に縛り上げた。惚気なら他でやってくれないかな。

「で、だから、理由は、まあ単なる暇つぶしかな?あはは、そんなちっさい体で何が出来るのさ。」

ばたばたと手足を動かすが一向に届く気配はない。運び屋は相変わらずきつく俺を抱きしめた。
こうなってしまったらもうダメだ。俺は早々に諦め、それで、と新羅に言った。

「いつになったら治るの。まさか治らないとか、ないだろうな。」

何時もより何割か増しで殺気を放って言ったが、何分この大きさでは迫力などでるはずがない。新羅はにっこりわらって、明日までだよ、と言った。しかたがない、効力は1日だけのようだし、今日はずっと家に籠もっていよう。波江には後で連絡いれるとして…

頭をフル回転させ今日の隠居生活について考えていると、ぴんぽん、とインターフォンが鳴った。新羅は、朝から誰だよとぶちぶち文句を呟き玄関へと向かう。運び屋は俺を抱いたまま後を追った。

「はーいどちらさま、…」

開いた扉の向こうには、池袋の喧嘩人形と人気俳優が立っていた。





つづきます。
臨也が愛されるシチュエーションがこれしか思いつかなかったとか…私…しっかりせいよ。


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