小説 | ナノ


※先天性女体化臨也=臨美
※来神時代






「ねー新羅、シズちゃんのタイプって知ってる?」

昼休みになりいつものように片手に菓子と健康食品(主にSOYJOYかカロリーメイト)をもった臨美が僕の席の向かいの席へと座ると、何の前ふりもなくそんな質問をしてきた。

「静雄のタイプねえ…。残念ながら知らないよ。」

僕は一応何か少し考えるようなふりをして(君みたいな子だよといってやりたかったが)、知らないと首をふった。臨美はだよね、と呟き菓子の箱をあける。

「何臨美、とうとう静雄に惚れたのかい?それとも惚れてることを自覚した?」

ちゃかすように言ってやると、臨美は顔を真っ赤にして(こんな表情は昔は結構レアだったけど、最近ではよく見る)(主に静雄関係で)平静を装った。

「んなわけないじゃん。ただシズちゃんを利用するには、シズちゃんのタイプになった方がしやすいでしょ?」

にやりと笑う臨美。そんなこじつけたような言い訳をしなくたっていいだろうに。静雄も大概素直じゃないが、臨美は更にその上をいってるなあ。

「本人に直接聞いてみれば?」

「んなことしたら意味ないじゃん。ねー新羅、聞いてきてよ。パンツくらいならみしてあげるから。」

言いながら臨美はスカートを持ち上げる仕草をする。僕はセルティ意外の女の子には興味ないんだけどな。白い太ももが露わになり、止めようとしたその瞬間、臨美と僕の間にあったはずの机が轟音をたてて消えた。そこにあった筈の机は床に食い込み、原型を留めていない。あれ、この机僕のだよね。

「………。」

「ちょっとシズちゃん、何するの。あれ新羅の机だし。しかもまだポッキー半分も食べてないんだからね。」

「てめえ、何してんだよ。」

現れたのは勿論静雄だった。
静雄は肩で息をしながら、鬼のような形相で臨美を睨みつけた。常人なら怯むその視線にも臨美はまったく動じず、ふんと嘲笑うかのように(実際嘲笑って)言った。

「何って、ご飯食べてたんだよ。まあ半分はシズちゃんが机と一緒にぶっ飛ばしちゃったけど。」

臨美は膝に置いてあったSOYJOYをひらひら振る。

「んなこと聞いてねえんだよ!つかてめえはんなもんばっか食ってっからガリガリなんだ!」

「ガリガリって何さ、スレンダーなんだよ!」

臨美は立ち上がり静雄を見上げるように睨んだ。静雄は男のなかでも身長が高いほうであり、臨美は小さい。必然的に上目遣いするような体制になる。一瞬静雄は身じろぎし、体を反転させた。

「シズちゃん、何、逃げるわけ!?」

「ちげえっ!…ただ…あれだ…あの…腹が減ったんだよ!」

「はあ!?」

訳がわからないといった風に声をあげた臨美を残し、静雄はドアを突き破ると教室から逃げ出した。残された臨美は拗ねたような表情で、逃げなくたっていいじゃん、と呟いた。

僕は心の中で、他でやれと叫んだ。






痴話喧嘩を見せつけられる新羅、お疲れ様です。
女体化楽しいですね…!個人的に、
甘楽=女装臨也
臨美=先天性女体化臨也


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