小説 | ナノ


※生徒×保健医ぱろ


俺にはどうしようもなく好きなやつがいる。そいつは俺より年上だけど俺より体も小さく、力も弱い。口だけは達者で、あの綺麗な顔からは想像もつかないような言葉をつらつらと吐き出す。そしてそいつは、いつも保健室にいる。



保健の先生



「シズちゃーん、いい加減にしなって。」

目の前で俺の右手に包帯を巻いている白衣の男、折原臨也こそ、俺が17年間片思いし続けている相手である。年は今年で23歳。職業は来神の保健医。
家が隣同士ということもあってか、俺と臨也は幼いころからよく顔をあわせていた。所謂幼なじみだ。
俺が臨也に幼なじみ以上の感情を持ちはじめたのは小学生のころで、周囲から畏怖の目でみられ始めた俺に、臨也はそれまでとなんら変わりない態度で接してきた。
いつものように俺を臨也がからかって、俺がそれにキレて、逃げる臨也を追いかけて、2人して疲れて寝る。
いつからかそんな応酬はしなくなったが、それ以後俺は臨也への感情が友情ではなく愛情であることに気づいた。
臨也が来神の保健医になったと聞いて来神を受験した。(これを聞いた臨也は大きく溜め息をつき、シズちゃん、ばか?と言った)(馬鹿じゃねえよ)

「…何がだよ。」

「喧嘩。毎日毎日ほんと飽きないよね。」

「しょーがねーだろが。あっちから売ってくるんだからよ。」

「もっとうまく受け流すとかさぁ…。」

てきぱきと包帯を巻き終わると、臨也は手を離さないで俺を見上げた。昔から近所でかわいいと評判だった臨也は成長するにつれその美貌を可愛らしさから美しさへと変化させていった。
長い睫が縁取る赤い瞳に、俺は昔から弱い。

「シズちゃん…」

「な、んだよ…っ」

赤い瞳がじっと見上げてくる。顔が熱い。
つうか睫なげえなこいつ。あー唇とか、男のくせになんであんな柔らかそうなんだよ。肌とか昔から白いよな…。てゆうか今日の服、首のとこあきすぎだろ。いつもぴっちりしたシャツ着てるくせに、今日は妙にサイズでかくないか?そういえばこの前クラスの奴が保健医の折原の鎖骨はやばいとかゆってたよな…。やべえなんかむらむらしてきた。

「…。」

「………。」

「……っ、」

「っ!?」

長いような数秒の時間の後、臨也が突然腹をおさえて笑い始めた。体を丸めて震える臨也。屈んだ瞬間、サイズが大きくだぼついたシャツの隙間からみえた、薄く白い色の胸板と、綺麗な色の、(っ!!?!??)

「なっ…!?」

「っ、シズちゃん、顔赤すぎっ…!かっわいっ…!!あは、あっははっ!」

けたけたと子供のように笑っている臨也をよそに、俺は混乱の渦に飲み込まれた。え、おいおいまじかよ。だってこれお前これ俺これ…いくら思春期だからってこれ…。

「…はー、…、あれ?シズちゃん?」

一通り笑い終えた臨也が顔をあげてこっちをみる前に、俺は保健室から猛ダッシュで逃げ出した。

思春期だからしょうがない!






(お、おさまれマイサム!!!)(あれー?シズちゃん何であんな急いでたんだろ。)








思春期DT静雄!
少年誌とかでよくある、屈んだらチラリ★をやってみたかっただけです。もちろん臨也先生のB地区はサーモンピンクです。


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