二週間ぶりに仕事を終えた臨也が静雄の家を訪れた。家にはいりコートを脱ぐと、適当にご飯つくるから座っててと言い残して臨也は台所へ消えた。 静雄は後を追って台所に行き、後ろから臨也が野菜やら肉やらを袋から取り出すのを眺めていると、臨也がどうしたのと髪を耳にかけながら聞いた。その仕草があまりにも色っぽく、静雄は臨也を後ろから抱きしめた。 「シズちゃん?」 「…」 「えー、と。ご飯作れないんだけど?」 「…じゃねえか。」 静雄にしては珍しく、小さな声で呟くように言われた言葉。聞き取れなかったらしい臨也がへ?と聞き返す。 「飯なんて、後でいいじゃねえかよ。」 「え、なにそれ、俺お腹減っ、ん、う…」 何か言おうと振り向いた臨也にキスをする。二週間ぶりに間近で臨也を感じ、臨也の声を聞き、臨也に触れている。それだけでも静雄にとっては充分欲情する理由になった。 「ん、ふっ…、ちょ、っとシズちゃん、ん…」 深く口づけると苦しげに息を吐きながらも臨也はそれを受け止めた。頬が赤く染まっていく。 腰に手をまわし、空いた手で臨也のシャツを託しあげる。臨也はひくんと反応し、体を捻ってキスから逃れれた。口の端から飲みきれなかった唾液が垂れている。 「シズちゃん、どうしたの?がっつきすぎだよ…」 「うるせえ。…二週間もほったらかしやがって。」 首筋に顔をうずめながら話すと、臨也は鼻にかかった声をだした。そのあとすぐにしまったと口を押さえる。 「ほったらかしたって…仕事だし、っ、シズちゃ…っ」 首筋を柔らかく舐めると、臨也は小さく体を強ばらせた。そのまま歯をたてる。 「いっ…っ、ちょっ、と、シズちゃん!」 「なんだよ」 歯型のついたそこに口づけながら静雄は臨也の顔をみた。臨也は酸素を失った魚のようにぱくぱく口を動かすと、ふうと息をついた。 「…シたい、の?」 「シてえ」 「あー…もう。」 静雄の視線から逃れるように頭を動かし、臨也は小さく、勝手にすれば、と囁いた。顔中を真っ赤に染め上げ、朱が首までまわった臨也の熱をもった耳に舌を入れた。 「ひぁっ!や、シズちゃ、…ここ、で、するのっ…?」 耳たぶをやわやわと噛み、丹念に舐めていく。わざと水音がするようにたっぷりと唾液を擦り込むと、臨也は悩ましげに眉を寄せた。 「ま、って、ね、ぁ…、シズちゃん、ベッド、い、こ?んぅ、」 「無理」 臨也の口に指を入れ、丹念に歯茎と歯列をなぞっていく。呼吸が苦しいらしく、臨也はん、ん、と抗議を口にしようとして失敗した。 「ふぁっシズちゃ、苦しっ…ん、」 長くなりそうなので一旦くぎります |