小説 | ナノ





「…?何言って…っ!」

一瞬シズちゃんが何を言っているかわからなかった。そしてすぐに凍る背筋。
そうだ、そういえば、そうだった。俺が今日帰ってきたのは、11時過ぎだったじゃないか。

「てめえ、"今日"はシねえっつったよなあ?もう"今日"は"昨日"だぞ。」

やられた。シズちゃんのくせに。揚げ足取りなんてしやがって。

「待って、シズちゃ、あ、んっ…!あ、や、だめっ、」

シズちゃんがゆるりと俺の勃ちあがりかけたそこを撫でた。そのまま根元を握られる。長い指は、先程頭皮にしたように、指の腹で先端を擦った。その動きがもどかしくて、ひくんと腰が疼く。
シズちゃんはそれを見逃さなかったようで、笑った。

「てめえもその気じゃねえか。あ?臨也くん?」

「っ、るっさい…!誰のせいだと…!」

「俺だな。」

悪びれもせずに言うと、シズちゃんは俺の下半身に蓋をあけたボディーソープをかけた。冷たい感覚に体が怯む。とろとろのボディーソープは肌を滴り落ちて行く。全体にかけおわったあと、シズちゃんが口を開いた。

「けどよぉ、臨也。」

「な、に」

舌がまわらない。頭はぼんやりしているのに体は敏感で、シャワーの刺激でさえ快楽として受け取り始めた。シズちゃんの金髪が電灯に照らされて透けるようにみえる。ああ、かっこいい。

「きもちいいこと、好きだろう?」

うん、すき。シズちゃん。



#




靄が立ち込める浴室に臨也の声と水温が響く。
臨也を膝の上に座らせて、足を開かせると、すんなりと開いた。後ろから抱きしめるようにして完全に勃起した臨也自身を扱いてやる。臨也は体中を真っ赤にして、唇を噛み締めて快楽に耐えていた。声を殺すのが気に入らなくて、耳元で我慢すんなよと囁くと、赤い顔をさらに朱に染め上げて、小さく痙攣したあとにイった。

「ぁ、はっ…はあ、…っ、シズちゃあ、んっ…も、うっ…」

赤い瞳が俺を煽るように見上げてきた。その光景に下半身が疼き、勢いで挿入してしまいそうになり、なんとか思い留まる。
そうだ、そういえばこいつ、相当疲れて帰ってきたんだった。
確かに臨也は抵抗にいつもより力がなく、弱々しい。俺より断然細い体に無理をさせたら、崩れおちてしまうのではないか。
そんな心配をするくらいならヤらなければいいのだが、臨也の匂いの染み付いたマンションにいたせいか、臨也が帰ってくる前から欲望が高まっていた。そこに、疲れて、いつもより儚げで弱ったような表情をした臨也が帰宅し、項から香った汗の匂いと、目を伏せてつかれた溜め息で、俺の理性はきれた。
引き下がったふりをして、風呂にいれてやるという口実を作り、快楽に弱い臨也を陥れてやろうという俺の罠に臨也は実に見事に引っかかり、今は挿入を促す位快楽に溺れている。

「あ、ん、シズちゃん…?」

いつもはローションをたっぷり使って挿入するのだが、生憎浴室にローションはない。代用としてかけたボディーソープに指を這わすと、冷たかったそれは臨也の体温で熱くなっていた。絡めとるように指を動かすと、臨也はそれにさえ反応する。
たっぷりとボディーソープを指に絡めて、ついでに腹についていた臨也の精液を拭い、後孔に押し当てる。指から垂れていかないように気をつけながら、腰を浮かせるように抱き上げてやって、周りに円を描くように解していく。
皺を伸ばすようにしてやり、指を一本入れる。すんなりと受け入れると、強請るようにひくついた。わざと一本で掻き回してやると、臨也が物足りなさそうな顔をしてこちらをみた。どうしたと聞くと、指じゃやだ、と舌たらずな言葉で呟いた。えろすぎる。

「ん、ぁ…、ふ、あ、や、シズちゃん、だめっ、そこ、」

知りすぎた臨也のいいところをひっかき、指を増やす。柔らかくなった入り口はぐちゃぐちゃと卑猥な音を響かせている。臨也は顔を涙や涎やシャワーの水で濡らしながら、あ、あ、と途切れ途切れに喘いだ。

「…臨也、入れるぞ。」

囁いてやると、臨也はこくこくとうなずき、自ら腰をあげて促した。俺は濡れたバーテン服のベルトをゆるめ、質量を増し続ける自身を臨也のなかへと推し進めていく。ボディーソープと水でぬるぬるになったそこはしかしやはり少し小さく、俺をゆっくりとしか受け入れられない。

「は、あっ…んぅ…、ふ、あっ、…う、」

「痛いか?」

浅く苦しそうな呼吸をする臨也に問いかけると、微笑しながら大丈夫と言った。いつもこうならかわいいだろうに。

「ひんっ、あ…、入っ、た…?」

一番太いところをすべて受け入れ、あとは臨也の体重だけでずるずると根元まで飲み込まれる。そのうち小さく臨也が腰を動かしたから、ゆっくりと出し入れをはじめた。

「あっ、あん、シズちゃん、やぁっ…ん、んっ、ふぁっ」

ぽろぽろ涙をながしながら臨也は腰を上下に動かす。いいところをぐりっとおしてやると、びくんと背筋を弓なりにしならせ、きゅっと中を締めた。柔らかい肉壁が俺自身を包み込み、ぎゅうぎゅうと押さえつける。耐えられなくなるまえにできるだけ動かそうと律動を早めると、臨也の息づかいと声がしだいに高く、早くなっていく。

「あっあっ、シズちゃ、俺、もうだめっ、あっもう出ないのに、イきそっ…!」

「っ、い、ざや、きつすぎっ…!」

「だって…!あっやだ、だめっ!も、いっちゃ、う、シズちゃんっ!」

臨也の指先がぴんとのびきり、その後中がきつくしまった。臨也は射精なしでイくと、くたっと胸にもたれてくる。中で出すのを臨也は嫌うから、引き抜き、臨也の背中と俺の腹の間にだした。その熱にうっすらと意識を取り戻した臨也は、緩慢な動きで体制をかえ、俺の首に腕をまわすと、眠りはじめた。
俺は臨也の背中に温めのシャワーを浴びせながら、明日は甘やかしてやろうと思った。





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄できた…!!
一度データが消えたときはもう諦めようかと思いました。
これできれいきれいしましょは終了です。


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