小説 | ナノ





「…遠慮します。てゆうか遠慮させてください無理です。」

「あ?別に遠慮なんていいんだぜ?臨也くん」

て言いながらしっかり腰を掴んでるんだから、俺がいくら断ったって聞きやしないんだろうな。この横暴絶倫。勃起して死ね、

「っ、どこ触ってんの、」

腰にあった手がいつのまにか尻にまわされていた。そのまま抱き上げられる。

「尻」

「をなこと聞いてないっ…シズちゃん、」

「んだよ。」

「お風呂入るのはいいけど、本当にしないからね。」

「あ?無理だ」

「いや、俺が無理だから。明日は多分大丈夫だから、今日は本当にお風呂だけで勘弁して」

懇願するように言うと、シズちゃんは何か考えるような顔をして、わかったと頷いた。ほんとにわかってんのかよ。
抱きかかえられたまま風呂場に連行される。地味に恥ずかしいな、これ。洗面台に座らされ、シズちゃんは俺の片足を持ち上げると靴下を脱がし始めた。

「シズちゃん、自分で脱げるから。」

無言。脱がした靴下を床に捨て、もう片方の足を持ち上げた。もういいや、めんどうだし、楽だから。
靴下を脱がしおわると、こんどはシャツを脱がし始めた。手、上げろと言われて、素直にあげる。万歳をするような格好をした俺に、シズちゃんが抱きつくようにしてシャツを脱がせはじめた。二の腕にシズちゃんの痛んだ金髪が、あたっ、て、

「…感じてんのかよ。」

顔を上げたシズちゃんは明らかに確信犯だった。にやにや笑うな、変態。
何も言わずに目をそらした。シズちゃんはというと、俺の黒いシャツを投げ捨てて、ズボンのベルトをはずし始めた。いや、やっぱりこれは、かなり恥ずかしい。

「シズちゃ、下はいいから。」

シズちゃんの手を掴んで引き離す。案外簡単に離れた。けど。

「さっさと脱げよ。」

シズちゃんは立ち上がって、見下すように俺がズボンを脱ぐのを待ち始めた。いやいや、君、いつからそんな変態になったわけ?
仕様がなくベルトを外し、ズボンを脱ぐ。見続けているシズちゃん。やりにくいな、ほんと。

「ち、今更恥ずかしがることねえだろが。」

シズちゃんが低くそう呟き、いきなり俺のパンツに手をかけ、勢いよく下ろした。うわ、なにすんだよ!
抗議する暇もなく再び抱きかかえられて、浴室へと入った。俺を椅子へと座らせると、シズちゃんは一旦外にでて、自分の靴下だけ脱ぐとまた浴室へと足を踏み入れた。後ろ手でドアを閉める。

「シズちゃんは脱がないの?」

「俺はてめえが帰ってくる前に入ったからな。それに、てめえを洗ってやんなきゃ、だし、なあ?」

にい、と。
文字通り、にい、とシズちゃんは凶悪に笑った。





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄案外長くなってしまいました。次こそえっちのはず…



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