Bad end.

「付き合ってるの!」

知ってたんだ、本当は。
あのクリスマスの日、ケーキを渡した君が私じゃないあの子を見ていたこと。

いつからだっただろう。
私がヤマトくんへのこの気持ちを理解したのは。
もう思い出せないけれど、冒険のときに助けてもらえて嬉しかったことを覚えてる。

何度も助けられた。
何度も救い出してくれた。

その度に嬉しかった。
でも、淋しかった。
どれだけ私を助けてくれても、あなたの瞳に映るのはいつも前向きな笑顔で私たちを照らす彼女ばかり。

その彼女に告白された、
と太一に聞いたとき、もう覚悟はできていた。

彼女はヤマトくんにそれとその結果を伝えるだろう。
ヤマトくんはそんな彼女を放っておけないだろう。
そして、そして…
いつかは付き合うんだろう。

全部全部知ってた。
分かってた。
だから、おめでとう、も伝えられた。




でも、頬を伝うこの涙は…
…分からなかった。


大好きでした。
でも、あなたと同じくらいあなたの彼女のことも大好き。
だから、次に会うときも私は笑顔で話しかけるの。

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