初めて一緒に過ごした夜。

目を開けると優しくあたしを見つめる桃矢がいて、あたしを抱きしめる腕の温もりを感じて、目の前にある幸せに目を細めた。

カーテンの隙間から薄く見える空は、夜と朝が混じったような紫色をしている。





「体 平気か?」


「ん だいじょうぶ」





あたしの髪に顔を埋めながらボソボソ話す桃矢の息がくすぐったくて少し身動ぎすると、離れようとしたと思われたのかさらに強く抱き締められる。その強さが心地良くて思わず「ふふっ」と笑ってしまった。






「しあわせ」


「急にどうした」


「思ったから言っただけだよ」


「そうか」


「そう」







夜と朝みたいに交わって、気付けば昼みたいにずっと一緒になるような。それが当たり前みたいな、そんな関係になれればいいのに。バラバラになってても、必ず交わる関係に。






夜明けに滲む朝焼け
(君との未来があるなら 溶けてもいいと思えるの)



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