blue days | ナノ

あんなにも一人の男の子を好きになって、あんなにも真っ直ぐな恋をしたのはきっと最初で最後だ。
私と彼が出会ったのは本当に偶然だった。けれどその出会いが私の中でとても大切な恋に変わっていくなんて、あの頃の私は思ってもいなかったのだ。


blue days


「じゃあくじ引きしまーす」

二年生になって数日が経った頃、一年間の委員会を決めることになった。最初に決定したクラスの委員長が作ったくじで決める、というなんとも単純な方法だ。ここは立候補とかないのかな、なんて一瞬思ったけれど仮に立候補制だったとしても私は人前に立つのが得意ではないからまず手を挙げることはない。

当たらないといいな、なんて思いながら回ってきた袋に手を突っ込んでくじを一つ選ぶ。

「………美化委員」

紙切れに記されたのは、何度見ても”美化委員”の四文字だった。

今思うとこの時もしも違うくじを引いていたら、私は彼と出会うことはなかったのかもしれない。それともこの時の選択とは関係なく、私は彼のことを好きになっていたのだろうか。

――私と精市くんが出会ったのは、高校に入学して1年が経った頃。二年生に上がった春だった。

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