ノーツ号に戻ると、どうやらオズロックとの連絡が取れたようで。
1日遅れて次の惑星、サザナーラに行くことになるのから、その分地球対サザナーラの試合を銀河連邦評議会が遅らせてくれたとのこと。
普通はこんな事認められないらしいんだけど、「勝ち進んでいる惑星の」選手が負傷したってことで特別にOKが出たらしい。助かった……。

そこで1番気になっていたことを俺はおばちゃんに聞いてみた。


「なまえはもう戦線離脱ってことになるんですか…?」


恐る恐る尋ねると、おばちゃんはケロッとした顔で軽くこう言う。


「いーやぁ。なまえちゃんは予選からちゃんと名簿登録してあるからねぇ。準備さえ整えば、大会運営側がこっちまで運んでくれるんだってよ〜」

「! じゃぁ元気になったらすぐ、」

「あぁ。復帰できるよ。」


よ、よかったぁ……。声に出すまでもなく、後ろで話を聞いていた葵や神童さんに肩ぽんされた。剣城にはされなかったけど、まぁそんなことはいい。

おばちゃん曰く、選手の管理は監督がしっかりとやってくれているらしい。
黒岩監督、普段まったく喋らないけど実はすごく頼れるんだよね。うん。
よかった……。
あとはもう、なまえの復帰を信じて待つだけだ。

安心して落ち着いて来れた俺は、ここでようやく、サンドリアスで見つけた不思議な石の話をみんなにした。




*****

石。カトラ。そしてポトムリ。
サザナーラとの試合までに色んな情報を知った。
水川さんは実は宇宙人で、いや、正しく言うと中に入っているポトムリが宇宙人で、俺に交渉してきたカトラは惑星キエルのお姫様で、だけどその星はもう亡くなっているという。

結局、俺がカトラと会ったって話は信じてもらえなかったんだけど…。
ポトムリはキエルの科学者で。キエルがブラックホールに襲われた時、かろうじて1人だけ生き残れた……とか。

でも確かにカトラと俺は話した。宙に浮いてたし本物……ってよりも幽霊、とか、そんなのに近いかもしれないけど、でも確かに―…。
現に石だってピクシーだってここにある、居るんだし。

それでもポトムリは俺のことを信じたくないらしく、あれこれ話している間にスケバンな方の水川さんが出てきちゃったからって慌ててそっちの体に戻っていった。
……言ってて自分でも混乱するんだけど、つまりまぁ、うん、そういうことらしい。
そんなことを話しながらも、ノーツ号はサザナーラに向かう。





*****

水の惑星、サザナーラとの試合で瞬木と皆帆のソウルが覚醒した。
試合前にミニゲームを挑まれたり。やけに静かな星だなって思ったら、なんでもサザナーラ人は人の心が読める……とか。
瞬木の様子がおかしい気がしていたら、皆帆もそれに気がついたらしく2人で話し合っていた。

そうこうしている間に試合になって―……、サザナーラ人にとやかく絡まれる瞬木だったけど、その本音には薄々気がついてたし、それを表に出したからってなんだ、って、むしろどうして今まで隠していたんだって…本当の瞬木とやっと仲間になれて嬉しいって素直に喜んだら。どこか吹っ切れた顔してて、良かったと思う。

そんな彼がなんでもバンバン言うようになったものだからみんなも驚いていたけど、これが瞬木なんだって誰も否定したりはせず、認めていたから。
これで本当に、俺たちチームメイトになれたかなぁ、って。

それから皆帆がオウンゴールしたり、ハヤブサとフクロウが出てきたり。
色々あったけれど、やっぱり2人の覚醒が1番大きいかな。
逆に、剣城が体調不良だったのが心配だけど―…

そうやって、俺たちはグランドセレスタギャラクシー2回戦目を突破していた。
けどやっぱりどこか物足りないような、何か。
再びカトラに案内され、俺は2つ目の「希望の欠片」を手に入れる。
だけどやっぱり。足りない。
嬉しくないわけじゃないんだよ。俺たちが全宇宙を救えるなんてすごい事だと思うし、本当にすごいことだって……思うんだけど……
なまえが隣にいてくれたらな、って。つい考えてしまっていた。


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