暴走するジェミニ、後日のお話 [ 2 ]

――――――――――――――――ハッピーの言葉が頭から離れない。



双児宮の星霊が仕出かした悪戯のせいで誤解が生じ、ルーシィは羞恥と怒りでチーム解散という文字が頭に蔓延っていた。
しかし、ナツとその後真偽を確かめるために呼び出した双児宮の星霊の弁解によって、ルーシィはナツに悪気はない事を知る。
そこで仲直りを済ませ、いつも通り戻るはずだったのだが、いつも通りにはできないルーシィがいた。


 ナツはルーシィが好きなんだよー!!
 もっとナツのこと考えてよルーシィーー!!!


ハッピーの言っていたことは本当なのかハッピーの勘違いなのか、わからないが何度もその言葉を思い出してはナツを意識してしまう。
仕方なかったことだし、終わったことなのにナツと唇を合わせた感触を振り返ってしまう。


「あぁぁぁーーー!馬鹿!私の馬鹿!…あのナツよ?どうせまた私の勘違いなんだから!」


そうやって何度も自分に言い聞かせても、ナツを目の前にすると何かと理由をつけてナツから離れたくなる。
今日もギルドには行ったがすぐに帰ってきてしまった。ナツがいる空間にいることが耐えられない。
どうすればいい。どうしようもない。できれば余計なことを聞いてしまった自分の記憶を消してほしい。


「あぁぁ……もういや…ナツの馬鹿ーーー!」

「…なんだよ、それ。」


ベッドに突っ伏してジタバタと足をバタつかせていたルーシィは、聞きなれた声がすぐ近くで聞こえたことに驚愕し、硬直した。
いつもの不法侵入に文句を言うこともせず、うつ伏せの状態をキープしたままこのまま寝たふりをしようかとナツから逃げる方法を必死で探す。
ルーシィがそうしている間に、ナツの気配がベットに寝転んだままのルーシィの元に近づいてきた。


「…なー、ルーシィ。誤解は解けたんだよな?それ以外にもオレなんかしたか?」

「……………」

「無視すんなよ。最近そればっかだな。いい加減傷つくぞ。」

「……………ナツは、たぶん悪くない。私の問題だから。気にしないで、ほっといて。」

「これだけ避けられてんのに、気にしないでっておかしくねぇか?さっきだってオレのこと馬鹿って叫んでたじゃねぇか。」

「……………き、気のせいよ。てか、ここ私の家よ、帰って。」

「嫌だ。ギルドで会ってもまともに会話してくれねぇだろ。こっち向けよルーシィ。」

「む、無理……。」

「はぁ?こっち向けって!」


いつまでもうつ伏せのままこちらを見ようともしないルーシィにナツは無理やりでも自分の方に向けさせようとベッドに乗り上がり、
ルーシィの両肩を引っ張る。ルーシィは抵抗するようにシーツを握る手に力を入れた。



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