Sweet nothings
キャラとヒロインの、掛け合いSS夢です。タイトル横のキャラ名を押せば、キャラsideの夢が読めます。ヒロインsideからどうぞ。
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キャラsideには飛べますが、ヒロインsideには繋がりません。目次として利用していただければ(キャラsideのみでも楽しんでいただけます)
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笑顔になる魔法は君:
九条天
ヒロインside
『誕生日何が欲しい?』
デート中に、突然告げてみた。天くんは、目を丸くしてる。メールや電話じゃなくて、直接天くんに会って聞きたかった。
「ボクに?誕生日は2ヶ月も先だよ」
『そうなんだけど、直ぐに準備できるからわからないでしょ。だから、天くんの希望を聞いておきたいの。あっ、高価な物は無理』
「そうだね」
クスクスと笑う天くん。男だけど、小悪魔的にかっこ可愛い。言ったら怒られるけど。
「※※がプレゼントしてくれるのなら、ボクは何だって嬉しいよ」
『そう言うと思った。そうじゃなくて、他に何かないの?』
「何かと言われても……。本当に何でもいいの?」
『もちろん!何かあった?』
聞いた瞬間、抱きしめられた。彼の息がふわっ、と耳元にかかる。
「ねぇ、ボクは※※がいればいい」
私の顔はトマトも真っ青なくらい、真っ赤っかになってしまった。
本能が求めた:
土方十四郎
ヒロインside
私は1ヶ月振りに、真選組へと帰って来た。故郷にいる母が倒れたと父から連絡があり、近藤さんより長期休暇をもらい帰省した。看病の末母の病はすっかり完治し、また真選組の女中として働くべく帰って来たのだった。女中のみんなが迎えてくれる中、一番会いたかったあの人の姿を見つけた。
「母親の病は、もういいのか?」
『はい、お陰様で。すっかり元気になりました。真選組の心遣いに感謝します』
「家族を大事に想うのは、当たり前の事だ。とにかく、良かったな」
優しい笑みと声で告げる十四郎さんを見て、真選組に帰って来たのだと実感した。不謹慎かもしれないけれど、十四郎さんに会えなくて凄く寂しかった。夜空を眺めると、十四郎さんの事を思い出して、胸の奥がきゅっと音を立てた。
「※※も疲れただろ。今日は、ゆっくり休め」
十四郎さんの優しい言葉が、甘い音となって胸に響く。いつの間にか、周りには誰もいなくなっていて……。
「どうした?」
『私……』
「ん?」
『十四郎さんと会えなくて、凄く寂しかった。子供みたいだと、怒られるかもしれないけれど』
「そうか。それなら、俺と同じだな」
『え……、今?』
「さぁな。部屋に戻る」
彼はフッと口元を緩ませながら、私に背を向ける。十四郎さんは副長という立場、仕事が忙しいのだろう。私も業務に戻らなきゃ、そう思った時、
「※※」
『はい』
「来いよ、甘やかしてやる」
伸ばされた十四郎さんの手のひらに、そっと手を重ねた。
健気な距離:
月永レオ
ヒロインside
レオくんを待って、かれこれ二時間になる。もしかして、すっぽかされたって事?久しぶりのデートだから、凄く楽しみにしてたのに。来ない理由なら、だいたい察しがつく。きっと、レオくんの悪いクセが出たのだろう。電話をすべきか、メールを送って帰るべきか悩んでいたところに、レオくんが走って来た。
「ごめんっ、※※!遅れた」
息が弾んでる。全力疾走してきてくれた証拠。言いたい事はいっぱいあったのに、なんだろ……凄く嬉しい。
『もう帰ろうかと思ってた』
「ごめん。おれが悪い。やっぱ、怒ってるよな?」
両手のひらを合わせて、私のご機嫌をとろうとする彼。何だか可愛くて、怒る気になれない。
『怒ってるわけじゃないけど、用事が出来たなら連絡くれないと、事故にでもあったんじゃないかって心配になっちゃうよ』
「だよな、ごめん。出る時いきなり、すっごいインスピレーションに襲われてさ。どうしても、書きとめられずにはいられなかった。おかげで、良い曲がひらめいた。おれって、ほんと天才だよな〜!わはははっ」
自慢気に笑う彼。レオくんは曲がひらめくと、完成するまで周りが見えなくなってしまうのだ。今日は来てくれたけど、何度すっぽかされた事か。
「おれって、やっぱ凄いよな。※※もそう思うだろ?」
『はいはい、そうだね』
「何だよー、※※が冷たい!やっぱり怒ってるな」
『怒ってない。たかが二時間、待ちぼうけをくらったぐらいで』
「反省してるって。ごめんな」
『……うん』
「怒んな」
『……うん』
「でも、おれのこと好きだろ?」
『……うん。えっ?』
私はぼわっと、顔を赤くした。反則だよ、レオくん。
君の為だけの言葉:
白布賢二郎
ヒロインside
隣を歩く白布くんをチラリと見ては、私は小さなため息をつく。彼に頼み事があったけど、なかなか言い出せないでいた。彼がバレー部のレギュラーだと知っている親戚の小学生から、是非とも教えてもらいたいと頼まれたからだ。だけど白布くんは試合が近くて、他人に構ってる隙などない。それは、彼女である自分が一番知っていた。だからこそ、言い出せなかった。
「どうかした?さっきから俺の事、ちらちら見て?何か用事?」
『ううん、別に……』
「別にって顔じゃないけど?俺には言い辛い事?」
『そんな事ないけど……』
「※※?」
はっきりしない私の顔を心配そうに見つめる白布くんに、思わずドキリとしてしまう。優しい眼差しだったから。試合前で精神的にも大変な彼に無用な心配をかけて、ダメな彼女だなぁって思った。
『親戚の男の子から、白布くんにバレーを教えてもらいたいと頼まれて。白布くんは試合前で忙しいから、って断ったんだけど……』
「なんだ、良かった」
『え……?』
「俺はてっきり※※を、怒らせるような事でもしたんじゃないかと心配した。いいよ、練習に付き合うぐらいなら」
『いいの?』
「構わない。それからこれは、俺からのお願い。俺には何でも話して。俺には、遠慮なんかしてほしくない。俺が頼ってほしいんだ。※※の事が好きだから」
彼の真剣な眼差しに、心臓が大きく跳ねた。身体中がドキドキする。私も、あなたが大好き。