long time no see1



「お前さぁ、マジで胸ないよな」

「はぁっ!?」

中学の頃、隣の席のおあいてにそんな事をいきなり言われた。

「確かに。なまえちゃん、他のとこには肉がついてるのにペチャンコだ」

奴の席に遊びに来てた憧れのおあいて2君にまでそんな事を言われる。

「うるさいなぁ!あんたたちに関係ないでしょ!?」

「まぁ、お前の貧乳は俺らに関係ないけど、アイツより小さいのは確かだぜ?」

奴が指差す方向を見れば、関取というあだ名で呼ばれている巨漢のクラスメイトの姿。

「…!?」

太った男子より胸がないと言われ、顔面蒼白になって固まってる私を見て、あの二人は大笑いをしていた。

この時、私は決意したのだった。
絶対に巨乳になって、このど失礼な二人を見返してやると。


そんなこんなから約10年。

様々な努力を重ねて胸を大きくした私は、今日、久しぶりに同窓会に出席する。

あの時私に心の傷を負わせたおあいてとおあいて2君を見返すためだ。
あからさまではないけれど、胸が強調される洋服を着てそこへと向かった。


「久しぶり〜!」

「元気そうだね〜」

お決まりの挨拶で始まる同窓会。
ターゲットのあの二人は遅れるらしくいなかった。少し拍子抜けしながらも、久しぶりに会う女の子達との会話を楽しむ。


「あ!やっときたー!!」

「遅せぇぞ!おあいて!おあいて2!」

すると、遅刻した例の二人がやって来て、入口が騒がしくなった。

「悪い悪い!おあいて2が遅刻したんだよ!」

「なんだよ!俺だけのせいにしないでよ!」

喧騒から現れたのは、あの頃と変わらないテンションの二人。けれども、おあいてもおあいて2君も成長して、かっこよくなっていた。
元々人気者だったあの二人には男女問わず人が集まっていて、見返すどころか話かける事すら出来なかった。その楽しそうに騒いでいる姿を、ただ遠くから見ているだけだった。

「なまえ、二次会行かないの?」

「うん、今日は帰る」

久しぶりに皆に会えたし、それだけで満足して一人で駅へと向かう。何も言えなかったのは残念だったけど、よくよく考えれば、10年も前の事を今更蒸し返すのも何だかバカバカしいし、最終的にはこれでよかったんだろうと思っていた。


「「なまえ!!」」

そんな事を考えていたら、突然後ろから私を呼ぶ声がする。
振り向けば、おあいてとおあいて2君が肩を組んで立っていた。

「久しぶり…」

「お前、このまま帰るの?」

おあいてが不思議そうに首をかしげる。

「うん。二次会は仲良かった友達は行かないし…」

「俺らもさ、抜けてきたんだ!これから3人で一緒に飲まない?さっき、全然話せなかったし、なまえちゃんと久しぶりにゆっくり話したいな!」

おあいて2君の提案で、そのまま3人で居酒屋へと向かった。

「あの時も、おあいてとおあいて2君のせいで私まで怒られて大変だったんだから」

「悪かったよ!」

「そんな事あったね〜!他にもさ〜コイツが…」

思い出話をしながらどんどんお酒を飲んでいく私達。普段、あんまり飲まないのに、あの頃に戻ったみたいに楽しくてついついグラスに手を伸ばしてしまう。

「なまえちゃん飲み過ぎじゃない!?」

「大丈夫!大丈夫!」

おあいて2君が心配してくるけど、笑顔でかわす。気分もふわふわして楽しくて…

…そのまま、頭は真っ白になった。


「んっ…?あれ?ここどこ?」


ぼんやりと目を開ける。
どうやらベッドに寝ているんだけど、視界に入ってくる天井は自分の部屋とは違う。

さっきまで、居酒屋でおあいてとおあいて2君と飲んでたはずだったのに…

なんて、不思議に思ってたら何だか胸元がスースーすることに気づいた。

「ちょっ!?何これ!?」

びっくりして身体を起こせば、私は何故か上半身がブラジャーのみになっており、しかも上半身裸のあの二人が周りを取り囲む様に座っていた。

「どういうこと!?」

「なまえちゃんがひどく酔っ払っちゃってたから、二人でホテルまで運んだんだよ?休憩するために」

おあいて2君があの頃女の子を虜にしてたキラキラ笑顔を向ける。
 
「それはありがたいけど、でもなんで服脱がせる必要があるのよ!?」

「お前、本当に胸でかくなったよな〜!」

私の言葉を聞かずに、背後に回っていきなりブラジャーを外すおあいて。

「ちょっと!?やめて…!」

ポロンと胸が露になるのを隠そうとしたのに、奴が素早く鷲掴みにする。

「なんで?お前から誘ってきたんじゃん!」

抗議のつもりで振り返って睨み付ければ、おあいてが心外だと言わんばかりに唇を尖らせる。

「さっき、居酒屋で”もう貧乳なんて言わせない!みてよこれっ!"って俺達にすっげー谷間みせつけてきたくせに。んなこと言われたら生で拝まない訳にはいかねーだろ」

嬉しそうに大きく揺らしながら揉み始めるおあいて。

「ほんとに大きくなったよね〜」

おあいて2君も大きな瞳をキラキラさせて、正面から私の胸をふにふにと触ってくる。

「だめだって…!揉んじゃやぁっ…!」

「いいだろ?感じてるくせに」

「そうだよ!身体ピクピクしてるじゃん」

そのまま、二人に弄ばれて身体の力が抜けていく。背後からのおあいての支えが無くなれば、そのままベッドに身を沈めてしまった。
 

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