真夜中の祝福



「んっ…やぁっ…!」

「嫌?何言ってんだよ」

私の視界は見慣れた部屋の天井と無機質な表情で私を見下すおあいてのみ。

「慰めてやるって言ったのはお前だろ?」

馬乗りになっている彼の表情は部屋の照明の逆光で見えない。
カッターシャツを脱ぎ捨てて、露になった上半身。
鍛えられているのだろう、彫刻とまではいかないけど、胸板は厚くて腕もしっかりと筋肉がついていた。

「ちょっと…!おあいて…!?」

そのまま、覆い被さり私の服に手をかける。

何でこんな事にーーー
ただの仲の良い同期のはずだったのに…

今日は会社の同期との飲み会だった。
そこで、仕事でミスをしてしまったらしい彼は酷く落ち込んでいた。

「も〜!元気出しなよ!
    私が慰めてあげるからさぁ!」

「…うるさい」

お酒が進み酔っ払って絡む私のテンションに心底うんざりしてた。

「…ったく、なんで俺が」

結局、おあいてが飲み過ぎた私を家に送るってとこまではいつものパターンだったのに…


「ダメだって!」

現在の有り得ない状況に酔いが一気に醒める。
身体を捩って逃れようとするも、スーツは乱されボタンが飛んでいく。

乱暴に剥き出しにされた私の素肌。
胸の膨らみを細くて指の長い大きな手が揉みしだいていく。

「やぁっ!」

「黙れって…」

舌を絡ませて唇を貪る様にキスをされると、理性が蕩けてしまう。
ベッドに身体を縫い付けられた私は、受け入れるしかなかった。

「なまえ…」

一見普段と変わらない彼の無機質な瞳の中に、欲望が揺らめいているのが分かる。

「嫌がってるくせに、此処は濡れてるぞ」

「はぁっ…あっ…」

何時の間にか、彼の手は秘裂を掻き回している。
淡々と言葉を発しているけど、重なる肌は熱くて…

でも、その熱は心地よい。

いつもは無表情で何を考えているのか分からないおあいては、例えるなら爬虫類みたいだった。
だから、何だか彼の人間らしさを再認識できたみたいで。


「やぁっ…おっきぃ…!」

いきなり膣壁を押し広げて侵入するおあいてに、中が抉じ開けられて、全てがさらけ出される。

「ふっ…なまえ…」

溜め息と一緒に私の名前が彼の唇さら零れる。
彼の腰が密着したまま、激しく暴れ始めた。

「んぁっ…あぁっ…!」

「いつも、我慢してたんだよ…」

私を抱き締めたまま、腰が打ち付けられる。
粘膜同士が擦れ合って、2人の境界線が曖昧になりつつあった。

「お前が安心しきった顔で寝てるから」

何時もより饒舌なおあいて。
だけど、その表情は何処か苦しそう。

だって、君は信頼できる人間だったから…
口数は少なくて取っ付きにくいけど、面倒見がよくて優しくて…

突き上げられる快感に、身体の力と思考能力が抜けて行く。
誘う様に、膣内が潤いを増していた。


「俺の事…好きだろ?」

すると不意に口を開くおあいて。
その掠れた声で切なく囁かれたらひとたまりもなくて。

「はぁっ…!」

思わず彼を締め付けてしまう。
彼の少し渇いた低い声は心地よくて子宮に響く。

「なぁ、俺の事好きだろ?」

質問に答えない私に少し苛立ちを滲ませた彼が、再び同じ言葉を口にして最奥を抉る。
先端を子宮口に押し付ける振動が直に伝わってきた。

身体中を快感が駆け巡り、普段、自分を覆うしがらみや見栄みたいな価値のない理性は全て吹き飛ばされる。

そう、私はずっと…

「あぁっ…!好き…!おあいての事がずっと好きだった…」

快感と切なさで涙が溢れてくる。

滲んだ視界に映るおあいては今までにみたことのない優しくて少し照れた様に微笑んでいた。


2015.5.18
天野屋 遥か



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