only girl2
「なまえ、こっちもいいか?」
興奮して少し息の荒くなったおあいての言葉に頷けば、ショーツに手をかけられる。
股を開けば、彼の節くれのある長い指が淵をそっと撫でて直に花びらに触れる。
恐る恐る、探るように中へと入ってきた。
「あぁ…ん…」
「なまえ…ここがいいのか?」
「うん…もっとそこ…」
ねだるように見つめれば、潤んだ視界で愛しい人は嬉しそうに柔らかい笑みをこぼす。
初めてなのにがっつかないで、私の事を考えてくれてる恋人はやっぱり素敵な人だと思った。
少したったところで、くちゅくちゅと水が滴る音が響く。
普段、繋いだり困ったときに優しく差し伸べてくれるそれが、私の中心をこんな風にかき混ぜていると思うだけで快感は増していく。
蜜がかなり溢れてきたから、もう充分だと彼を止めた。
「おあいて、気持ちよくしてあげるからね?」
ベッドに彼を寝かせ、直下たった雄をゴムの膜で覆い、その上に股がる。根元まで納め、太股を下腹部に密着させた。
「すっげ…お前の中、熱くて絡みついてくる…」
ぶるりと身体を震わせる彼の反応に満足し、
そのまま、腰を動かし始める。
「はぁっ…あっ…あっ…」
彼の腰に手をついて、 円を描くように動かしてみたり、緩急をつけながら前後に腰を揺らす。同時に奥へ導けば、時折身体を跳ねさせる。
「なまえ…それヤバい…」
腰の速度を早めて今は上下に動いていた。
先のエラの部分が自分の良いところに当たる様に擦り付けると、段々と粘膜がおあいてに吸い付いていく。
もう少しかなぁなんて思っていると…
「っ…!」
胎内で彼がびくびくと震えて、先に達してしまった。
「…ごめん…俺…先に…」
慌てて身体を起こすおあいて。
申し訳なさそうにしているけど、頬を紅くさせて涙目で謝る姿に、気持ちよかったのだと逆に安心する。
「大丈夫!最初はそんな感じだって!」
気まずそうに俯く恋人が可愛くて、頭を思わず撫でる。
「元気付けてあげるから、もう一回しよ?」
彼の上から降りた私はコンドームを外して、少し落ち込んでいる彼の雄を口に含んだ。
ーーそして、今に至る訳で。
「ほら、これでまた出来るよ?」
「うん」
恥ずかしそうに頷いたおあいては、再び薄い膜をつけた。
「今度はおあいてが上になって?」
「ん…」
少し緊張した面持ちで、体勢を変える君。
ベッドに横になって誘う様に足を開いた私の間へと割って入ってくる。花びらに先端を触れさせたかと思えば、迷いなく奥まで入ってきた。
覆い被さって、密着する互いの肌。
奥を貫かれて、気持ちいい顔をこんなに至近距離で見られるなんて恥ずかしい。
けれども、おあいてがどんな表情をしてるのか見たくて、好奇心が勝って視線を合わせる。
そうしたら、眉を寄せて切ない顔で私を見つめていた。
「おあいて…」
そのまま、両腕を首に回して唇を寄せた。
キスをしていると、私の中でさらに大きくなるのがわかる。
「ごめん…もう…我慢できない…」
「いいよ。おあいての好きな様にして?」
受け止めるから大丈夫と告げた途端、彼が身体を起こして腰を激しく打ち付けてくる。
律動が激しくなると腰が快感に痺れていく。
視界が真っ白になって、頭の中で意識がパチパチと花火みたいにスパークする。
子宮の口を先端が何度も潰す度に、腰が浮いてきて膝もかくかくと笑い始めた。
「あぁっ!」
とうとう待ち望んだ絶頂を迎える。
甘く蕩ける様な感覚に身体が拐われていく。
「はぁ…なまえ…」
その直後に、おあいてが中で大きく跳ねて薄い膜の奥で熱が弾けていく。
恋人は私の上に倒れこみ、強く私を抱き締めた。
「なまえ…俺…なまえが初めてでよかった」
全てが終わって、二人でベッドの中に収まる。
二人だと少し狭くなる事すら嬉しい。
ぎゅっとおあいてが抱き締めてくる。
なんて幸せなんだろう。
出来る事ならこれからも、私だけでいて欲しい。
私だけに見せて欲しいの。
誰も知らない貴方の表情を
聴かせて欲しいの。
誰も知らない貴方の声を。
ああ、いつまでもこんな風に毎晩、抱き締めて眠ってくれたら。
私を抱けば抱くほどに、求めて溺れてくれたら。
なんてそんな事すら願ってしまう。
「おあいて、愛してる」
貴方にとって、世界でただ一人の女性になりたいの。
2016.3.19
天野屋 遥か
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