Be mine3



「これでも俺の事、男だと思えない?」

繋がって、ガツガツと奥を貫く癖にその声は不安で頼りなくて。
快楽に吹き飛ばされそうだった理性が少しだけ、意識を繋ぎとめる。
細いのにしっかりと身体を覆っている筋肉。
薄く筋の浮かんだ腕に私の腰を掴む手の力は強くて、嫌でも男だと意識をせざるを得ない。

「ずっと好きだったよ?なまえの事。でもさ、友達の関係が壊れるのが怖かったし、お前も男が途切れなくて、それに俺の事、そーゆー風に見てないってわかってたから言えなかった」

正面から私を見下ろして言葉を紡ぐ様を私は激しく揺さぶられながら、何も答えられずにただ見つめるだけ。

「そりゃ、俺もモテたいと思うから、可愛い女の子や綺麗な子に優しくしてたけど…」

困った様に笑うおあいて。

「でもさ、俺達もサークル終わって就職活動とか色々してる間にあっという間に卒業になっちゃうでしょ?その前になまえにどうしても言いたかったんだ…」

切羽詰まった声。
聞いている私まで切なくて苦しくなってくる。
この間、サークルのミーティングの帰り道で私に告白した時はもっとさらっとしてたから、真面目に取り合わなかったってところもあった。
もし、あの時にこんな風に本心を言ってくれてたら…
快感でぼんやりとした頭にそんな考えが過ぎる。

「俺達を繋ぐものが無くなってしまうから。このまま、友達ってだけで終わりたくなかったんだよ…!」

皆のリーダーとして頑張ってた彼はいつも周りの意見をちゃんと聞いて尊重して、自分の意見をこんな風に感情的に通す事はなかった。
そんなこの人がここまではっきりというなんて…

そのまま、無言になった彼は私の更に奥へと自身を突き立てる。
部屋の中は肌がぶつかる音と重なる吐息に混じって時折響く私の鳴き声。

ふと、視線を横へ向ければ、ローテーブルに置きっぱなしのミネラルウォーターのボトルは汗をかいていて、それが時間の長さを物語っていた。


「なまえ…」

「はぁ…おあいて…」

今度は、上半身を起こしたおあいてに向かい合う様にして股がらされていた。
先端が無遠慮に私の最奥を押し潰し、腰の中から全身に甘い痺れが広がっていく。
与えられた快感に酔った私の頭の中は、ピンクのもやでかすみがかっていた。

「ねぇ、俺、そんなに男らしくない?こんな風になまえの事、ちゃんと悦ばしてるのに?」

意地悪に口角を上げながら、下から上目使いに含んだ甘えで蕩けさせてしまう様な視線で私を見つめる。
”王子様”と呼ばれていた綺麗なその顔が間近で、私のこのどうしようもなく無防備で情けない緩み切ってしまった顔を見ているのかと思うと、どうしようもない羞恥心に襲われた。

「やっ…悦んでなんかない…!」

「嘘ついちゃだめだって。さっきから、ココ突く度に腰動いてるじゃん…」

急に恥ずかしくなって顔を反らしても、この人は意に介さず、声を弾ませながらイイトコロを執拗に擦り付けられる。
そして、私の胸に顔を寄せて片方の先端に吸いつき、もう片方は指で膨らみを揉みしだきながら先端を指で刺激する。

「なまえ、我慢しなくていいから…ほら…」

「あぁっ…!」

下からは執拗に激しく子宮の中心を押し潰されて、上からもそんな強い刺激を与えられては今の私はなす術もなく、彼に導かれるままに身体を大きく震わせて再び達してしまった。
そのまま身体の力が抜けて、おあいてに身体を預けてしまう。
お互いの汗で滑る肌に縋る様にその背中に思わず腕を回した。

「かわいい…」

「おあいて…」

笑窪を作ってみせた彼は優しく私の頭を撫でる。
その一連の仕草に今まで彼に対して抱いた事のない気持ちを覚えた…



「ほんとにごめん…!酔っ払ってたとしても申し訳ない事をしたから」

翌朝、目を覚ました後、ズボンだけ履いたおあいては上半身は裸のまま床で土下座をしていた。
借りたジャージを身に付けてベッドの上で座る私はその姿が面白くて笑ってしまう。

「びっくりしたよ。本当に…」

「ごめん。最悪だよね、ほんと…でも全部覚えてるし、昨日話した気持ちは本当だから」

「いいよ。私も気持ちよくなっちゃったし…それに…」

何だか照れ臭くて、言葉につまる。

「それに?…どうしたの?」

不思議そうに首をかしげるおあいて。

「ちゃんと男らしくはっきり言ってくれたし、気持ち…嬉しかったから…」

「なまえそれって…!」

「昨日の言葉を聞いて、私もおあいてと付き合いたいって思ったの」

「ありがとう!すごく嬉しい!」

そのまま飛びついて来た彼に抱き締められる。
すると、私を包む優しくて甘い匂いになんだか安心する。
きっと、この匂いが一番好きな香りになる日はすぐ傍まで来てるんだろうな―――
なんて感慨深く浸っていると…

「なまえ…もう一回シタい」

「えっ!?朝から?」

新しい恋人の衝撃発言に固まってしまう。

「いいじゃん!だってずっと我慢してたんだよ?俺!」

「やだ!だって明るくて恥ずかしいじゃん!」

「昨日は電気が煌々とついてる部屋でヤッたから変わんないよ」

「あれはおあいてが…!」

なんて言い合いをしたけれど、結局そのまま2人でベッドに沈んで肌を重ねたのは言うまでもない。


2015.12.22
天野屋 遥か


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