眩暈(後編)1



露わになった肌におあいてが手を伸ばす。
その体温の余りの冷たさに驚き、酔いが醒める。
視界は嬉しそうに微笑むおあいて2兄さんとおあいてで一杯で。
我に返り、共に育ったはずの兄弟に組み敷かれている今の自分の状況に衝撃を受けた。

「やっ…二人とも…!」

身体を捩って抵抗しようとしても、力が入らない。

「今宵の酒は効いただろう?あれは美味いだけじゃなくてかなり強いんだ」

口角を上げて、綺麗な歯列を見せるおあいて2兄さんは自身の肌を晒す。

「父さんも出張で不在、母さんは友達との旅行で明日しか帰ってこない。こんなチャンスを逃すはずないでしょ?」

「俺達は二人とも、お前を手に入れたくて仕方ないんだ」

両側から耳許でそんな事を囁かれる。
おまけに、二人の手が胸元に伸びて膨らみを揉み始めていた。

「兄さん…どうして?お願い止めてよ…」

信じてたのにーーーー

そう訴えるけれど、一向に指の動きを緩める事は無い。

「それは無理な願いだな。俺はお前の事がずっと欲しくて堪らなかった」

おあいて2兄さんは胸に顔を埋めたまま、先端に吸い付く。

「なまえ姉さんの此処はすごくおいしそうだよね。食べちゃいたくなる」

いつの間にか下へと移動したおあいては両脚を持ち上げて大きく開き、その間に顔を埋めた。蕾に軽く吸い付き、淵を舐めたかと襞の中に舌がぬるりと入ってきた。ぴちゃぴちゃと恥ずかしい音を立てて弟が粘膜を貪っていく。
生温い柔らかいそれが粘膜を這い回ると、共鳴するように腰の中も蠢き始めた。足の指が小刻みにピクピク跳ねて腰が浮いて、奥から蜜がドロリと滴るのが分かる。

「ひゃあ…やぁっ!ダメ!」

蜜壺を指でかき回されれちゅぷちゅぷと水音を立てながら、かぷかぷと犬歯を太股に食い込ませる。舌で肉をほぐして歯を立てる仕草は獲物を嬲るように、肉の感触を楽しんでいる様だった。

「弟に花弁を弄ばれてそんな声をあげるのか。なまえは」

嘲ける様でそれでいて楽しそうに嗤いを漏らすおあいて2兄さんは私の胸の色付いた先端を摘み、耳許で囁いたかと思えばそのまま耳朶を舐めて歯を立てる。
敏感な場所を責め立てられてがくがくと膝が笑う中、飛沫を上げて達してしまった。


「たまらない…」

はぁはぁと荒い呼吸をしながら正面から私を見下ろすおあいて。
いつの間にかパジャマを脱ぎ捨て全てを露わにしている。

「姉さん、行くよ…」

まるで睨み付ける様な喩えるなら鬼の様な恐ろしい形相。
ぞくりと背筋に悪寒が走る。
剣の様な視線が手足に刺さり、磔にされている。仕留められ、息の根を止められるような感覚。
このおあいての顔は私が社会人になったばかりで、まだ彼が高校生の頃にたまたま街で見かけた時にみた時の表情だ。

高校生が数人で、違う制服の男の子を夕暮れの公園の人気のない場所で殴っている現場を会社帰りに見てしまったのだ。
通報しなければいけないと確認しようと近づいた所で、驚いてカバンを落としてしまう。
なんと、中心で他校の男子の財布からお金を取ろうとして人物がおあいてにとても似ていたからだ。
大きな物音に気づいた彼らは動揺し、被害に遭っていた男の子はその隙に財布を取り戻して逃げていった。
信じられない光景に釘付けになっている私に気づいた彼は、昂ぶったその鋭い視線で私を捕らえてにやりと歯を見せたのだ。
まるで獣の様なその様相に捕食されてしまうという恐怖がこみ上げてきて、私の方が思わず逃げてしまった。

信じられなかった。
自分の前ではニコニコして甘えたで優しいと思っていた彼がそんな風な乱暴な筈はないと。
実際、あの後、家で顔を合わせても余りにいつも通りすぎて、見間違えだと思った。
本人に確認する勇気はなくて、けれども、時折、彼が私を見つめる視線にあの時と同じ鋭さが忍ばされている事に気付いて、やはりおあいてだったのだと確信した。

それ以来、彼に苦手意識を抱く様になったのだ。
普段、私の前で見せている姿は偽物で、本当は恐ろしい人間なのではないかという払拭出来ない疑念がいつも心にあった。
その得体の知れなさが怖かった。

それから程なくして勤務地が変わり、独り暮らしをする事が決定しておあいてと離れる事になった時には実は心の何処かでほっとしていた。
なのに、こんな事になってしまうなんて…

「姉さんってさ、たまにそうやって怯えた顔するよね。僕はさぁ、そんな顔をされるとますます意地悪したくなっちゃうなぁ」

羽根で撫でられる様なふわふわとした声で話しながらも、熱を持った自身を深くまで侵入させる。

「だって…おあいては…やぁっ!!」

「余計な事は言わなくていいから、僕に鳴き声聞かせて」

私が続けようとした言葉を悟っていたのだろう、ニコニコと笑みを浮かべて出っ張った部分で襞を抉り追い詰めていく。
先端で奥の小部屋の入口を執拗に小突かれれば甘い痺れが広がり、腰の内側が痙攣を始める。

「ちょっと兄さん、僕の番なんだから待ってよ!」

そんな中、おあいてが怒って大きな声を上げる。

「おまえが遅いから仕方ないだろう?こっちも我慢の限界だ」

何度も達せられてる私と逆でちっとも果てない弟は、私に手を伸ばそうとしたおあいて2兄さんをたしなめながら腰の動きを緩めた。

「仕方ないなぁ。じゃあ、すぐに終わらせるから待って」

そうすると、先程までとは打って変わって激しく身体を揺さぶってくる。

「あぁっ!やっ…!」

抗えずに自分のものとは信じられない喘ぎ声を上げながら、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられて中身が溶けてしまったのではないかとさえ思わされるけれど、動く雄に合わせて蠢く膣壁が錯覚だと思い知らせる。

「はぁ…気持ちいい…」

おあいてが腰の中で跳ねてどくどくと熱い液体が注ぎ込まれる感覚に神経が支配される。数回律動して全てを吐き出すと満足そうな溜息と共に弟がずるりと出て行くのがわかった。


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