suger fix(後編)2



「やっ…こんなの中に入るの?」

「入るよ。これでなまえの事を気持ちよくするんだから」

不安を滲ませるなまえを安心させようと、頭をそっと撫でる。
了解を得て、先端を入り口につければ、すでに十分過ぎるくらいに潤っているそこは俺に吸い付いてくる。
誘われるがままに、少しずつ侵入を開始した。
様子を見ながら、腰を段々と前へと動かす。
あれだけ解したけれど、もちろん指とは圧倒的に存在感が違うから注意を払わなければいけない。

「んっ…!」

先ほどまでとは違い、眉を顰めてしまうなまえ。
”痛い”とは言わないけれど、唇を噛み締めて我慢しているのは明白で。

「っ…なまえ大丈夫?中、かなりキツそうだけど…」

「大丈夫…」

その言葉を信じて、まだまだ狭くてぴったりとくっついている膣内を粘膜を掻き分ける様にして奥へと進めた。

「俺のが全部入ったのわかる?ほら?」

「っ…!」

やっと、全てを納めたところで、自分の存在を知らしめる様に一番奥をゆるく小突けば、少し顔を歪めるなまえ。

「大丈夫?痛いんだったらやっぱり止めとく?」

今度は意地悪なんかじゃなくて、本当に心配でそう問いかける。

「やだ。ここまでしたなら最後までちゃんとして欲しい…」

そんな俺の腕をそっと掴むなまえ。

「ちゃんと私に教えて…」

真っすぐに俺を見つめるその視線に、自分の中心が熱を増した。


ギシギシとベッドが軋む音が響き、ライトに照らされて俺達が重なっている影が壁に映し出されている。


「はぁ…あっ…!あっ…!」

律動を開始すれば、初めは少し痛がっていたなまえも次第に動きに合わせて声を上げ始める。
胎内はやっぱり初めての反応で。
粘膜も少しまだ緊張している様。

「なまえ、いい?ちゃんと気持ち良かったら言って?」

「あぅっ…そこされると変になるからぁ…!」

視線を落として問いかければ、ぎゅっとシーツを握りしめながら快感を訴えてくるなまえ。
さっき、指で探り当てたイイトコロを先端で何度か擦ってやったら、こんなにいい反応をしてくる。
やっぱり、指なんかじゃだめだよな。

「ココ?いいって事でしょ?変になるって事は。だったら、ちゃんとイイって言って?もっとしてやるからさ」

腰を少し上向きに動かして抉る様に強い刺激を与えてやれば、膣壁はねだる様に吸い付いてくる。

「ほら、ちゃんと聞かせて?」

「やっ…!いいっ…気持ちいい…!」

答えを引き出す様に何度も擦ってやれば、仰け反る様に顎を上げて快感を訴えてきた。

「よくできました」

頬にご褒美のキスを落として、集中的に擦ってやる。
すると、一層、締め付けと快感が増してもっと欲しくなり何度も擦る。

やっべ…癖になりそう。

一つになってから、なまえ先輩が愛しくて堪らない。
気持ちと身体が一致していく。


「先輩、さっき俺フリーだって言ったよね?」

「はぁ…!あっ…あぁっ…!」

「付き合おう?俺、気づいてなかっただけで、先輩の事が好きだったんだ」

確かに女ゴリラって思ってたのはほんとだけど、俺の事気にかけてくれてて、なんだかんだで優しいこの人が気になってたんだ。
けれども、それがあまりに自然すぎて自覚するのが遅かっただけで。

だから、処女って知った時もほかの女の子の事なんて考えられなくてそればっかり気になってた。

それに、落ち込んだ時に励ましたいって思えたんだ。

…でもさ、当の本人は喘ぐだけで、俺の言葉なんて耳に入っていないみたい。
浅瀬に引き戻すように、腰の動きを緩める。

「ねぇ、返事聞かせて?どう?俺と付き合ってくれる?」

ゆるゆると鈍く腰を動かして、焦らしながら返事をねだる。

「あぅ…付き合うからぁ…」

もっとして――――

切ない吐息を漏らした先輩は、甘い刺激欲しさに俺の申し出に首を縦に振る。

「そんなに可愛くおねだりされたら、応えない訳にいかないよな」

「やぁ…おあいて…君…!」

満足した俺は、快感の海に引きずり込んで溺れさせる様に、熱に浮かせて一気に沈める。

「なまえ、シーツじゃなくて俺にしがみついてよ」

そのまま、背中に両腕を回させる。
遠慮がちに食い込む爪の痛みが心地よい。

初めて男と繋がって迎える絶頂なんだから、ちゃんとしてやりたいと思う。
後悔させないって言ったんだし…

そんな事を考えながら腰を打ち付ける。
なまえの中はもっともっとと奥へ導くように絡んできた。
そのまま、何度も擦り上げると痙攣が始まる。

「あぁっ…!おあいて君!」

大きく叫んだなまえは、身体を一瞬強張らせた後にきゅうきゅうと俺を締め付けてくる。身体の力は抜けてしまっていた。

「なまえ…どうだった?」

「…気持ちよかった」

涙を浮かべて、聞いたことのない甘い声でねだるように答えるなまえに煽られてしまう。
もちろん、固さを失うはずもない俺はキスをして再び腰を打ち付け始めた。

「ちょっ…!おあいて君激しすぎ!」

腰を抱えてガツガツと奥を抉れば、大きく喘ぐなまえ。
さっき絶頂を迎えたばかりで敏感になっている粘膜は、すぐに反応してぎちぎちと締め付けてくる。

「なまえごめん…もう無理!」

背筋にゾクゾクと快感が走り、腰が止まらなくなる。
深いところで溶け合っていく俺達。
なまえのナカがそれに感化されて絡みついてくるから自分の血液が中心に集まって、硬さと重さが増していく。

とうとう、薄い膜の中で自分の欲望が弾けた。


「おあいて君ありがとうね」

後処理を全部終えて、なまえを抱き寄せながらベッドに浮かぶ。
すると、突然お礼を言われた。

「そんなお礼言われる事なんて何もしてないよ。だって、付き合ってるんだから当然でしょ?」

「えっ!?」

当たり前のようにそういえば、目を丸くするなまえ。

「え!?付き合う気ないの!?俺の気持ち弄んだの?さっき、エッチの間に言ったじゃん!」

慌てて身体を起こして、なまえの両肩に手を置いて問い詰める。

「いや、そうじゃなくてさ…てっきりノリで言ったのかと…」

自信がなさそうに話す言葉の終わりの方は消えかかってしまいそうになっている。
あんなにキツイ先輩のこんな姿を見る事になるなんて。

「なまえはキレイだと思うし、エッチの最中もすっごい可愛かったよ。好きにならない方が無理だって」

「おあいて君…」

「なまえ先輩、これからももっと気持ちいい事教えてあげるから、だから俺のものになってよ」

そう微笑めば、なまえは嬉しそうに笑って胸に飛び込んできた。


2016.6.28
天野屋 遥か


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