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▼ first night 後編2

「しのぶ、次は俺だよ?」

やっと徹から解放されて、ベッドに倒れ込んだかと思えば、息を吐く間も与えられず、環が正面に回ってくる。

「お願い…ちょっと待って…」

「もう散々待ったよ」

さっき白濁を吐き出した筈なのに、すでにまた熱くて硬くなっていたそれが割れ目をなぞり、そのままいとも簡単に侵入してきた。
しかも、散々嬲られてきた膣内も当たり前の様に奥へと環を誘う。

「全部入った…」

彼は全てを私の中に納めて、嬉しそうに頬にキスを落とした。

「俺、ずっと君とこうしたかったんだ」

眉を下げて、切ない表情で微笑むかつての友人。
白い肌が汗ばんで薄い輝きを帯びているのが整った顔立ちを際立たせ、妙な艶めかしさを与えていた。

「環…」

「もう何年越しかなぁ?ずっと…ずっとね…この日を夢見てた」

慈しむ様にそっと頬を撫でた指はそのまま唇をなぞり、彼は上半身を起こして私の腰に両手を添える。
そして、ゆっくりと肉杭を引き抜き始めた。

「はぁっ…あっ…」

「こっちが好きなの?どう?」

形の整った薄い唇から歯を覗かせながら彼がゆっくりと腰の中を掻き回す。
私の胎内を探るように、エラの張った先端で襞を擦る。
腰を私の下腹部に密着させて、奥深くまで入り込んでくる。まるで未知の惑星を探索するかの様に一つ一つ私の反応を確認しながら、穏やかに襞を擦ってきた。
それは、激しさを剥き出したままにぶつけてくる徹とは正反対だった。

「んんっ…はぁっ…」

温いお湯に浸かってふやける様な心地よい刺激に反応して腰を揺らせば、彼も気持ち良さそうに吐息を漏らす。
視界では、ルームライトに照らされた金色の髪の毛がさらさらと揺れて美しかった。

「はぁっ…環…」

「ほんとに可愛い」

名前を呼べば、互いの指を絡ませて繋いだ手を口許に寄せて、そっと口づける環。
それは女なら一度はこんな風に優しく愛されたいと思う様な、そんな、ゆらゆらと揺りかごに揺られているみたいに心地よい甘さに身体を委ねていた時だった。


「つまんねぇなぁ」

不意に退屈そうな徹の声が耳に入ってくる。

「環、もっと鳴かせてみろよ。それじゃつまんねぇだろ?」

声の聞こえた方に視線を寄越せば、ジャージのズボンだけを身に付けた徹が窓際のソファで胡坐をかいて、煙草を吸いながら私達の情事を眺めていた。

「言われなくてもそのつもりだよ。でも、そのためにはまずはちゃんと把握しないとダメだろ?」

そう答えた環に、彼は”お前は本当にイイ性格をしてる”と大笑いしていた。

「なんとなく分かってきたし、そろそろいいよね?」

振り返った環はいつもの優しい微笑みを浮かべている。けれども、瞳の奥はさっきの徹みたいにギラギラと不自然に強い輝きを放っていた。

先程とは打って変わってギシギシと軋んだ音を激しく上げるベッド。シーツを握り締めてその振動に耐えていた。

「しのぶ、もっと深くで感じて?」

「やぁっ!?はぁっ…!」

腰を持ち上げられて上から体重をかけられる。先ほどよりも更に奥を押し潰される様に先端を押し付けられる。
ついさっきまでのさざ波の様に私を撫でていた甘やかな感覚は掻き消されて、強烈な快感が押し寄せてきた。
激しく何度も粘膜を擦られれば、身体の中心から力が奪われていく。
与えられる強烈な快感に肉襞が反応して絡み付き、それに比例するかの様に粘膜が痙攣し始めた。

「あぁっ…!」

達してしまい、身体を大きく跳ねさせるけれどこのひとは動きを止めることはない。ぐったりとベッドに身体を預けている私の奥を執拗に抉ってきた。
すると、今度は環が体積を増していくのを感じる。

「はぁっ…」

漏れる吐息と共にドクッと胎内で彼が脈を打ったかと思えば、じわりと熱が広がる感覚。

「やっと捕まえた…絶対に離さないから…」

彼はそのまま私の上に倒れ込んで、首筋に頭を押し付けて背中の後ろへと両腕を回す。私はぼんやりと天井を眺めながら、その熱い抱擁を受け入れたのだった。

私の知っている環は優しくて穏やかで、王子様と噂される様なそんな人だったのに。こんな激しさを秘めていたなんて思いもしなかった。


「すごいな…これ」

「二人がかりだからな。こんなもんじゃねーの?」

環が起き上がって自身を抜き去ると 、ぐちゃぐちゃにされた其処からは重い液体が溢れていく感覚がする。徹もいつの間にかベッドに戻ってきており、二人が好奇に満ちた視線を寄越す。

「しのぶ、こんなに出されたんだよ?」

環が嬉しそうに掬い上げた白濁を、まだベッドに横たわったままの私に見せつける。
茫然としながら、あぁ…私はこれから毎日こんな辱めを受けるのかと他人事の様に妙に冷静に明日からの自分の未来を分析をしていた。

「お前、こんなんで参ってたら明日からもたねえぞ?」

徹がそっと私の身体を起こす。
目の前に広がるのはシーツよりも真っ白な大きな染みだった。
先程は何も思わなかったが、余韻から醒めた事で理性が甦り、その光景を目の当たりにすると予想を遥かに超える量が出されていた事を実感させられる。

「やっ…!」

その瞬間、今まで味わった事のない羞恥に襲われて思わず顔を背けた。

「こっち向けよ」

けれども、それを許さない徹。
顎を掴まれて無理矢理に正面を向かされた私。
彼が見せ付ける様に口の中へ錠剤を放り込み、ミネラルウォーターを含んだかと思えば、そのまま口移しで水を流し込まれる。

「…飲め。アフターピルだ」

勢いに抗えない私はそのまま飲み込んだ。
喉が動いて完全に体内にそれが取り込まれる様を二人は薄い笑みを浮かべながら見つめていた。


2016.2.1
天野屋 遥か


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