悪魔の誘惑 | ナノ








▼ 悪魔の鳥籠1

あの日以来、脅されるまま、資料室で何度も彼と身体を重ねる様になった。

「ねぇ、みちる先生。
    今度の球技大会はこの前みたいに何かの競技に参加するの?」

行為の後、蛍君が服を整えながら尋ねてくる。

「…今回は何も出ない。
   準備の手伝いとクラスの応援だけ…」

散々イかされた私は、身体に力が入らず気怠そうに答えた。

「ふ〜ん…そうなんだ。じゃあまた明日ね」

自分から聞いたくせに、興味なさげな返事をしてそのまま去っていった。

いつまでこんな事続くのだろう…
後藤先生との関係も精算をしなければならない。
そして仕事も…

こんな人間が生徒達を教え導く資格なんてない。

最近、そんな事ばかりずっと考えていた。



「みちる先生、勝ったよ〜!!」

「おめでとう!
    みてたよ〜!みんな大活躍だったね!」

球技大会当日ーー
副担任をしているクラスのバレーボールの
試合を応援していた。

生徒達と別れた後、裏庭を一人で歩いていると、バタバタとこっちへ向かって走って来る
足音が聞こえた。

「みちる先生!」

蛍君の声がした。
ビクッと身体が反応する。

「すいません!
    ちょっと手伝ってもらっていいですか!?
    サッカーゴールのネットが破れたんで、
    体育倉庫に取りにいかなきゃだめなんです!」

恐る恐る振り返れば、息を切らして焦っている。
そっか、彼は実行委員だった。

「わかった!
    急いで取りにいこ!手伝うから!」

「ありがとうございます!」

無邪気な笑顔を見せる彼は、とても、私に肉体関係を要求する人間だとは思えなかった。



2人で体育倉庫に入る。

「ネットだよね?どこ…っきゃあ!?」

ーーードンッ

いきなり、奥へ突き飛ばされた。
ガチャンと鍵をかける音がする。

「や〜っと2人っきりになれた。」

蛍君の嬉しそうな声が狭い室内に響く。

「えっ…?ネットは?」

「あんなの嘘に決まってるでしょ。
    みちる先生、ほんと見かけによらずお人好しなんだから」

ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべながら近づいてくる。

「ひどい!騙したの!?」

「仕方ないじゃん。
    先生のジャージ姿なんてレアだし、
    ヤらないわけにいかないでしょ。」

彼はそう言うなり、私をマットに押し倒した。

「やぁっ!こんなとこで…」

「こんなとこでヤるからいいんだろ」

ジャージを脱がされ、Tシャツを捲し上げられる。暴れても、彼が私に馬乗りになっているから何の抵抗にもならない。
   
「ダメっ!止めて!」

「うるさい」

彼の唇で口を塞がれる。
舌が侵入してきて、歯列をなぞる。

同時に、彼の手は下着を外し胸を揉みしだく。そのまま腰をなぞり、下へ伸びていった。

その間も、ずっと舌を絡めとられ、吸われ続ける。
ピチャピチャと卑猥な音だけが響き、何度も何度も繰り返される度、頭が霞がかって、何も考えられなくなる。

ショーツの中に手を入れた彼は、手を止めた。
やっと、唇を離すと

「止めてって言ってるけど、
   先生も興奮してんじゃん。
   いつもより濡れてるし。」

と、あの意地悪な笑顔で顔を覗き込んでくる。

「そんな事…ない…」

「そんなとろんとした目付きで言われても
   何の説得力もないよ、先生」

そう言いながら彼は私の両手を掴む。

「やっ!?何!?」

蛍君がどこからか持ってきた縄跳びで両手が頭上でひとまとめに縛られ、自由が奪われた。

「ほどいて!」

「やだよ」

そう言うと、彼は私のズボンもショーツも全て取り去り、左右それぞれ膝を曲げたままで縛りあげた。
教え子に股を広げて、全てを晒している状態になっている。

「やだぁ…こんなの…お願い、ほどいて…」

余りの恥ずかしさに涙を流すも、彼は聞く耳を持たない。

パシャ、パシャーー
ケータイを取り出して、私のあられもない姿を撮影している。

「先生、また誰にも言えない秘密増えちゃったね」

あ、秘密作ったのは俺かーー

蛍君は楽しそうに笑う。
大きく聡明な瞳を三日月形に細めて、白い歯を覗かせた。
爽やかなそれは、この状況に酷く場違いなもので、彼の異常性を感じる。

「じゃあ、そろそろ先生の事気持ちよくしてあげる」

「お願い、もうやめて…」

私の懇願を無視して、彼の舌が秘部に伸びた。


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