school days | ナノ


▼ make an exhibition of myself !

文化祭当日―――

「お帰りなさいませ、ご主人様〜!」

「お帰りなさいませ、お嬢様〜!」

メイドと執事に扮したクラスメイトの声が響く。
執事&メイド喫茶は注目の的らしく
沢山の人が来てる。

「…何で海人まで執事なの?」

「アイツのクラス、作品展示で暇だから、混ざりたかったらしい」

ヘラヘラ接客してる海人は、執事服が似合っていた。
私と銀が裏で休憩していると

「銀君、指名だって〜!」

「おう!」

クラスメイトに呼ばれて飲み物を持っていく銀。
指名した女の子達のきゃあきゃあ騒ぐ声が聞こえる。
さすがモテるなぁ、サッカー部は…なんて思ってると

「のぞみ、指名〜!」

クラスメイトから死刑宣告がされた。

「うん…わかった…」

あぁ、とうとうあれをやる時が来てしまったか…
足取り重く飲み物を持ってテーブルへ向かうと…

「賢二君!?」

「のぞみ先輩!!」

満面の笑みで私を迎える。
が、気になるのは…

「何?カメラ??」

そう、笑顔の彼の首には大層立派な一眼レフのカメラが下がっていた。

「これですか?のぞみ先輩がメイドやるって聞いたので、持ってきたんです!ぜひ写真に納めたくって」

可愛く笑う賢二君。
発言は恐ろしいけど。

「先輩、休憩はいつ頃ですか?
休憩の時にぜひ校庭で写真撮らせて下さい!」

あっ、でも屋上もいいなぁ…なんて
彼はブツブツ呟きながら一人で考え事を始めた。その隙に、飲み物を置いてそぉっと立ち去ろうとする。

「先輩、ダメですよ!
早く例のアレ、やって下さい♪」

ところが、すかさず賢二君が私の腕を掴む。彼がワクワクしてるのが伝わってくる。

「はぁ…だよね……」

溜め息をついた私は、気を取り直して

「ご主人様のために愛を込めます!
せ〜の!萌え萌えキュン!」

両手でハートを作って決めポーズまですると、賢二君の口元がかなりニヤついていた。

「先輩、写真撮りたいので
今のもう一回お願いします!」

賢二君がカメラを構える。
てゆーか、すでにシャッターを連写してる。

「えっ、それはちょっと!」

「じゃあ、今度はケーキ頼むんで!」

私が困っても、カメラを構えたまま
笑顔の賢二君は引く気がない。

「おい!賢二、何してんだよ!?」

「のぞみ嫌がってるじゃん!」

そこへ、銀と海人がやって来た。
この2人もたまには役に立つじゃん!
って思ってると

「うるさいですね。
先輩達は、のぞみ先輩のメイド姿
の写真欲しくないんですか?」

「「欲しい!!」」

賢二君の発言に2人の目の色が変わる。

「何言ってんのよ!?」

…前言撤回!
やっぱこの2人はあてにならない。

「だから、ケーキ追加して萌えポーズしてもらおうと説得してたんですよ!」

「よし、わかった!
俺がもらってくるから、待ってろ!」

「俺はのぞみが逃げない様に見てるから!」

「えぇっ〜!?」

バカ2人の態度の豹変具合におったまげ!

しかも、銀はそのままダッシュで裏へケーキを取りに行ってしまった。海人と賢二君にがっちり捕まえてるから逃げられない。

「のぞみ先輩、いきますよ〜!」

銀がケーキを持ってきた所で、再びシャッター音が響き渡る。 慧君は立ち上がり、色んな角度から写真を撮り始めた。

こうして、私は一生封印したい写真が沢山出来てしまったのだった。

make an exhibition of myself !
-穴があったら入りたい!-

(のぞみ先輩、次は笑顔で!)

(賢二、反射板はこの角度でいいの〜?)

(海人先輩、もう少し右で!)

(スカート、もう少し短くてもいいんじゃね?)

(何なのよこれは…もうやだ…)

2016.10.27
天野屋 遥か


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