school days | ナノ


▼ a little lonely

「のぞみ〜、ちょっと手伝って!」

絶賛部活中、正マネージャーの香先輩に呼ばれる。

「は〜い!今いきます!」

部室の掃除を中断して、グラウンドに戻り、ドリンクとタオルの準備をする。
大きなかごを運びながら練習を見ると、銀と海人は真剣な表情でボールと向き合っていた。

2人で真面目にパス回しをしていたり、シュート練習で上手くシュートが決まって喜んでる姿とかは、今まで見た事なかった。

普段教室では、2人でバカな事して騒いでるし、銀なんて、今日は授業中に白目むいて寝てたのみちゃったけど。
(笑いこらえるのに必死で、授業内容の記憶がない)

確かに、サッカーしてる姿は2人とも真剣でカッコイイかも…
(もちろん、紫苑君には敵わないけど)


「あの2人みてるの?」

香先輩が話かけてくる。

「…まぁ、そんなとこです」

何となく、正直に答えるのが嫌で言葉を濁す。

「銀と海人は、うちのチームの要なのよ」

「そうなんですか!?
ただのバカじゃなかったんですね!」

思わず本音を言ってしまうと先輩は大爆笑。

「あの子達サッカーは上手いのよ。
確かに、部活中もふざけたりとかサボろうとするとこは問題だけど」

と、グラウンドを見つめながらフォローする先輩。
意外だった。
何度かあの2人のおふざけに先輩がブチギレてるのは目撃して、"香先輩も仲間だ!!"って勝手に思ってたし。
 
「明日は、練習試合だから張り切ってんのよ。」

笑いながら私の方に顔を向ける。

「ねぇ、のぞみ。明日で最後なんて言わずに
このまま正式にマネージャーにならない?
のぞみならやっていけると思うの。他のマネージャー志望者みたいに彼氏目当てじゃなくて、真剣に仕事してくれて助かってるし」

あの美人でしっかり者で厳しい香先輩がこんな風に言ってくれるなんて…
自分が認められた気持ちになってとても嬉しい。
 
「ありがたいですけど、
やっぱり、自分には向いてないと思うんで…
すいません…」

けれども、自分の答えは決まっていた。
1週間だけだったから何とか頑張れただけだし。

「…残念。
気が変わったら、いつでも言って。
じゃあ、明日まではよろしくね」

先輩はほんとに残念そうで、ケーキバイキングのためにマネージャーを引き受けたなんてことは口が裂けても言えないなぁなんて思った。

…とうとう明日で最後かぁ。

何だかんだで、私もマネージャーの仕事はいい経験になったし、慣れて来れば意外と面白かった。


a little lonely
ー少しの寂しさー


(練習試合だし、あの2人に何か作ってあげよっかなぁ。)

お礼も兼ねてお弁当を作ろうと、部活の帰り道にスーパーへ向かったのだった。


2015.5.6
天野屋 遥か


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