school days | ナノ


▼ take matters easy!

「のぞみ〜、一生のお願い!」

「嫌。だって絶対大変じゃん」

「今度、ケーキ奢るから!」

休み時間、嫌がるのぞみの前で俺と海人が土下座をする勢いで必死に頼みこむ。

サッカー部マネージャーの1年の利乃が怪我をしてしまい人数が足りなくなってしまった。そこで、俺達はコイツに1週間だけマネージャー代理を頼む事を思い付いたんだ。

「…ケーキバイキング奢ってくれるなら、1週間だけならやる。」

「マジ!?よっしゃ〜」

海人が喜びの雄叫びをあげる。

「ただし!絶対1週間しかやんないよ!」

こうして、のぞみのマネージャー生活が始まった。



「海人〜!作戦成功だな!」

俺は嬉しさのあまり海人に抱きつく。

「俺達がサッカーしてるとこみれば、絶対、
 のぞみも俺達の事を見直すはずだよね〜」

奴も俺を抱き締める。

そう、部活中の俺達を女子はキャーキャー騒ぐ。
つまり、俺達はイケてるってこと!

「そのままほんとにマネージャー
   になってくれたらいいな〜!」

海人がわくわくしてる。

「なぁ〜!俺らの計画マジ完璧じゃん!!」

俺達は天才だ〜!
なんて騒ぎながら部活へ向かう。

…が、現実はそんな甘くなかった。


「のぞみ!!ドリンク足りない!」

正マネージャーの香が激を飛ばしている声が響く。
アイツは美人だけど怖いからなぁ。
利乃もよく怒られてるし。

「え!?言われた通り作ったはずですけど…」

「今日は、ラストが筋トレだから
   それじゃ足りないの!!
   早く作ってきて!」

「はい!」

たくさんのスクイズボトルを抱えて、慌てて水道へと走って行くのぞみ。
心配になってその姿を見てたら、海人の蹴ったボールが頭を直撃した。

「ちょっと!!そっちはOKだから、
   ユニフォーム洗濯手伝って!」

「香先輩、もう無理です〜。」

普段帰宅部のコイツにはマネージャーの仕事が大変で、部活中の俺達の姿なんて見てる暇なんてないらしい。



「…もうやだ。仕事キツすぎ。
   香先輩恐いし。
   ケーキバイキングはもういいから 辞めたい」

次の日、教室でのぞみがぐったりしながら俺達に訴える。
机に突っ伏したままで、起き上がる気配もない。

「えっ!?待ってよ!」

海人がおろおろする。

「のぞみ、考え直そ!?
  キャプテンはのぞみの事褒めてたし!」

俺も慌てる。
確かに、香が恐いのはわかる。
でも、ここで辞められたら俺達の計画が台無しじゃん!!

「…そもそもマネージャーなんて
   キャラじゃないのよ、私は」

目の前のコイツの声に生命力が感じられない。

「じゃあさ、ケーキバイキング
   だけじゃなくて、
    のぞみが前言ってた、
   2時間待ちの幻のプリンも奢るから!!」

海人が苦し紛れに提案すると、ピクっと反応する。

「それ、ほんと…?」

そして顔を上げた。
その表情はキラキラと期待感に満ち溢れている。

「うん!俺とコイツで並んでくるよ!」

「…わかった!続ける!」

アイツの目に輝きが戻った。
のぞみは頭がいいのに単純だ。
俺達はそんなとこがかわいいって思うけど。



「銀、行くぞ!」

今日の部活のラストはミニゲーム。
海人から俺にキラーパスが通った。
そのままかっこよくシュート!

「ゴール!!」

ゴールキーパーが一歩も動けない位に
凄いシュートが決まった。
見学に来てる女の子達の黄色い歓声も聞こえる。

「ナイス!」

「海人のパス最高!」

相方と抱きあって喜びを分かち合う。

「いいシュートだった。
  お前らの連携プレーは
   もはやチームの攻撃の1つだね」

しかも、キャプテンまで褒めてくれた。

「「のぞみ〜!今のゴールみてた〜!?」」

俺達はアイツの方を振り返り、手を振ってアピールした。

が、当のアイツは何の反応もなく、明後日の方向を向いたまま。
よく見ると、俺のシュートと同じ瞬間にホームランを打った、
野球部の紫苑に視線が釘付けになってた。
しかも、目がハートになってる。

面白くない俺と海人は、

「「香先輩!
    のぞみが野球部の方見て
    仕事サボってま〜す!」」

とチクってやった。

「は!?ちょっと、のぞみ!
    仕事ちゃんとしなさいよ!」

「す、すいません!」

香の怒号によって、現実に戻されたのぞみが
焦って仕事に戻るのをみながら俺と海人は溜め息をついた。


take matters easy!
ーなんでそうなるの?ー
  

(まさか、俺達じゃなくて
  野球部を見るとは…)

(紫苑の事すっかり忘れてた。)

((…作戦、失敗かぁ))


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