school days | ナノ


▼ none of your lip

「ちょっと!何で来ないのよ!!」

花壇で水やりをしながら私は一人激怒する。

「なんだのぞみ、また一人かよ!」

「だから俺と一緒にすればよかったのに〜」

銀と海人が廊下の窓から私を冷やかす。
バカ2人はニヤニヤしてて、イラッとする。

「うるさい!」

そう、花園委員になって一ヶ月経過したが、
当番が同じ日の桂君は一度も姿を見せていない。



――1年のくせにマジで有り得ない!

昼休み、悪態をつきながら1年の教室へ向かう。
なぜかバカ2人も引っ付いてきた。

「「俺達も花園委員だから
後輩のサボりは見逃せない!」」

と言ってたが、絶対私がキレてるのを面白がってるだけだと思う。


「あ、木村君だよね?桂君いる?」

1年2組の教室の前にいた、同じ花園委員の木村君に話かける。

「あ、金田先輩こんにちは。
賢二なら、自分の席にいますよ」

そう指を指したのは、窓際の一番後ろの席。
整った顔立ちの男の子が座っている。
彼はスマホでゲームをしていた。

「あいつかぁ、なんか暗そう」

「確かに、昼休みに一人でゲームやってるなんてなぁ〜」

銀と海人が私の後ろから顔を覗かせ、彼の第一印象をコメントする。
…私も同じ事思ってた。


よし、一言物申してやる!!

「桂君!!ちょっと話があるんだけど!」

彼の席の前に立ちはだかる。
けれども、彼は私を一瞥すると、またゲーム機の画面に視線を戻す。

「誰?また告白?俺、今誰とも付き合う気ないから。」

だから、話す事なんて何もない――

彼はゲーム機の手を緩める事なく言い放つ。

言われた事があまりに的外れ過ぎて、
言いたい事が頭から飛んでしまった。
フリーズしてる私の前にバカ2人が躍り出る。

「バカ!お前、花園委員だろ?
コイツはその事で来てんだよ!」

銀が不機嫌そうに言う。

「そうだよ!しかも先輩に対して
何だよその態度!」

海人も言葉を強める。

「あぁ、委員会か…
で、先輩達の用件は何ですか?」

ダルそうに賢二が言う。
(親しくないけどムカつくから呼び捨て)

「私、2-2の金田のぞみって言うんだけど、
水やり当番一緒だよね?何で来ないの!?」

イライラを込めて彼を問い詰める。

「面倒くさいんですよ。
先輩がやってくれてるならいいじゃないですか。
1日位水やらなかっただけで、花も枯れる訳じゃないですし。」

「「「はぁ〜っ!?」」」

あまりの言い草に、私達3人はびっくりして叫ぶ。

「しかも、休みの時に勝手に花園委員にされただけで、俺がやりたくてなった訳じゃないんで」

そう言って、彼はゲームをやり続けている。

そして、更に衝撃の一言が…


「俺、基本的にゲーム機より重いもの持ちたくないんですよ」


ピコピコピコ…とゲーム音が響く。
何だコイツは!!

も〜、我慢できない!!

バンッ―――
机を叩く。
教室中がびっくりして静まりかえる。

その隙に奴からゲーム機を奪った。


「ふざけた事言ってんじゃないわよ!!
来週から当番来るって約束しないと
 セーブデータ全部消すから!!」

私がブチギレてそう怒鳴ると

「はぁ!?ちょっ!何すんだよ!!?」

賢二が立ち上がる。

この子、背が高いな。
私も170センチ近くあるのに、上から見下ろされてる。

私達が睨み合ってるのを見て、銀と海人は大爆笑。

「やっぱついてきてよかった!」

「絶対、面白いこと起こるって思ってた!」

…こっちは真剣なのにあのバカ2人は!
でも、とりあえずこの生意気な後輩と話を着けなけなきゃ!

「アンタだけじゃないんだから!
当番嫌なのは!!」

「うるさい!マジで返せって!!」

奴の手が伸びてくる。

「私だって、勝手に決められて
イヤイヤだけどちゃんとやってんのよ!」

それを避け、電源ボタンに手をかける。

「っ!?分かった!分かりました!
 ちゃんと当番行きます!」

賢二が慌ててそう言った。

「解ればいいの。はい、これ返すね。」

そう笑顔でゲーム機を返すと、何故か彼は驚いた表情をしていた。

「じゃあ、来週からちゃんと来てね。
来なかったら、今度こそデータ消すから!」

そう言って、私は教室を後にした。
しかし、今日のやり取りから
奴が当番に来たとしても、何か起きる気がする。
今後の水やり当番ライフに嫌な予感しか残らなかった…


none of your lip!
―生意気なアイツ―

(ふ〜ん、のぞみ先輩かぁ。
中々イイじゃん。)

(はぁ!?おい、海人!ヤバくね!?)

(え〜!?またライバル増えるの〜!?)


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