セックスという行為は、正直あまり好きじゃなかった。
女相手にしろ、男相手にしろ、何が楽しくて体力を削ってまで汚らしい行為をしなければいけないのだ、と。
「ん、…はぁ、っあ…」
ギシリ、ギシリ、2人分の重さを吸収したベッドが軋んだ音を奏でる。
本能、とは厄介なものだと思う。
人間には誰しも子孫を残そうとする“本能”がある。
だから知らずの内に他人の肉体を求め、躰を繋げようとしたがるのだ。
それは人間の性と言っても可笑しくはないし、当たり前の現象だから仕方のないことなのかも知れない。
けれど俺にとってセックスというものは、ただただ面倒な行為でしかなかった。
それがましてや、同性で、だなんて。
「っ、ソンギュ……」
どくん、と躰の芯が波打つ。
ほんのり眉をひそめて俺を見つめてくるウヒョンの頬をそっと撫でると、その手に熱い手のひらを重ねた彼が嬉しそうに微笑んだ。
「ソンギュ、ねぇ、気持ちいい?」
ぐっと奥まで入って来る熱を感じながら、その問いに答える為にウヒョンの頭を抱き寄せる。
ちゅ、と小さく口付けると、顔を離したウヒョンがあまりに恍惚とした表情をするものだから。
堪らずくすりと笑みがこぼれて、可愛らしい年下の彼を抱きしめた。
「うひょな、かわい」
「っ、むかつく」
「ふは、何でだよ」
「だってなんか、まだまだ余裕じゃん」
ちょっと悔しい。
そう言って口を尖らせるウヒョンが愛しくてたまらない。
急に激しさを増した動きに声をあげると、目の前のウヒョンがにたりと笑う。
本当、可愛いやつだ。
俺には初めから、余裕なんて無いのに。
「ぁ、ん…っ」
「っはぁ、ソンギュ…、」
そんぎゅ、そんぎゅ、と俺の名を呼ぶ声に感じ入る。
愛しい人と躰を重ねることが、こんなにも心地いいことだなんて知らなかった。
愛しい人に名を呼ばれることが、こんなにも幸せなことだなんて気付かなかった。
「うひょな、…」
愛してる、と、ありがとう。
たくさんの気持ちを込めて、もう一度彼に口付けた。
金魚が溺れた日
本物のギュはもっとナムに必死ですよね。笑
それよりも早く…早く初夜を書きたい…!
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