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written by 綺月深穏


陳腐なものも
上辺だけを掬いとった言葉で
飾りつけてみれば
それなりの情緒の それなりの切なさ

本当のことなんて
雨の最中の透明なピアスのよう
風を切って 走ったところで
傍にあるのは 変哲のない現実だ

あなたの温もりを 私にふれた手を
意味を持つものにするのは
私ではないから

もっともらしい理由があれば
こんなに思い返すこともないのだから
格好つけて 取り繕って
服を着せた思い出にするのは 私の勝手でしょう


category : Poem

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