靴下
written by 綺月深穏


あなたの脱ぎ散らかした靴下を
好きになれたら
あなたを本当に愛したことになるのかな

どこまでがスキで
どこからがアイシテイルになるの
目に見えないならいつだってそれは

左頬にあるほくろが 薄い耳たぶが
腕に浮き出る血管が 笑うとできる目の皺が
愛しい、だけでは ただのそれだけ


あなたの一日履いた靴下を
良い匂いだと
ずっと嗅いでたいと思えない私は

とっても陳腐な
浅はかなコイの従者になるの
コイだのアイだのそんな名前にさ

かすれ声のおはようを 優しいおかえりを
ぶっきらぼうなありがとうを 面倒くさそうなおやすみを
いつまでも聴いていたい だけでは


あなたの脱ぎ散らかした靴下は
やっぱり臭いし 好きにはなれない


左頬にあるほくろが 薄い耳たぶが
腕に浮き出る血管が 笑うとできる目の皺が
靴下を軽く上回るなら
もうそれでいいでしょう


category : Lyric

prevnext

CLAP !

( back )
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -