愛視トキ
written by 綺月深穏
振り向いたきみの輪郭を
なぞってみてる
目で追ってその視線のぶつかるところを
いつだって探してるんだ
与えるだけで満足なんだ
きみからは何もいらない
強いて言うなら笑ってください
あたしに向かって全てを緩ませて
微笑んでほしい
初めて知る世界を
見せてくれたのはきみだった
溶かすように流れ込む
骨まで砂糖菓子になるような
とても甘い甘い幸福感
存在が愛しくて
呼吸が恋しくて
指先だけでもふれたらきっと
壊れてしまいそうになる
ゆるりと浮かぶ雲を眺めながら
きみの影に足を埋めた
放たれた言葉ひとつひとつ
丁寧に集めた
優しく響く音色に耳を澄ませ
限りなく空へ眠る
心の欠片を垣間見ると
うれしい気持ちと同時に
訳のわからない涙が滲むんだ
寄り添いたい小指が震えたよ
離れないで
きみの見ている世界を
一瞬でいいから感じるために
弾ける雫つかまえて
全身の血管全てに写し込む
柔く甘い甘い充実感
名前をつけるのが
惜しいくらい強い
きみの声を聴いている時
鼻先がきみにふれている
はらりと落ちる桜の花びらに
心を奪われるように
きみを知っているのがあたしだけならいい
きみを見つめているのがあたしだけならいいのに
世界がとても小さくて
二人分の酸素しかなくて
その二人を選べるのがあたしなら
遠ざかる後ろ姿もなくなるのに
溶かすように流れ込む
骨まで砂糖菓子になるような
とても甘い甘い幸福感
存在が愛しくて
呼吸が恋しくて
指先だけでもふれたらきっと
壊れてしまいそうになる
ゆるりと浮かぶ雲を眺めながら
きみの影に足を埋めた
重なり合う目線に季節を刻み
穏やかな空と抱きしめる
category : Lyric
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