1 小鳥遊side 「あの、なんかすみませんでした。バイクの乗りこなしとかでてっきり男性かと……」 線の細い人だなとは思っていたけど、まさか女性だったとは。 先入観って恐ろしいな…… 「ああ、別にいいよ。よく間違われるし」 「お前、大学でもしょっちゅう告られてるもんな。女に」 全然気にする様子のない門田さんの後ろから休憩室に入ってきたのは佐藤さん。 「うるさいよ、佐藤。親友のバイト復帰には何の言葉もなし?」 「へーへー。約1ヶ月の教育実習お疲れさん」 そう言いながら佐藤さんはぽんぽんと門田さんの頭に手をやる。へえ。仲良いんだな。 「あ、つーか、小鳥遊も目ぇ覚ましたことだし、そろそろ戻れよ。客増えてんぞ」 「え、ほんと?じゃあ、お仕事、お仕事!あ、かたなし君はまだ頭冷やしててもいいからね!」 「あ、いえ、もう大丈夫なので俺も戻ります!」 佐藤さんの言葉で、俺たちは仕事へ戻った。 [しおり/戻る] ×
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