「あーあ、行っちゃった。これから暫く、寂しくなるわねえ」

後ろでそう口にしたのは、十三番隊の清音。
そうだなあ、と小椿も同意して、その視線はユキへと向かう。

「お前も近い奴らがいなくなって、暫く寂しくなんだろ穂村」
「そうでもないですよ。仕事が増えるなあとは思いますけど」

小椿の問いかけにそう答えてユキが苦笑すれば、ああ、と思い至ったように小椿と清音も苦笑を浮かべた。
ユキの仕事の量の多さは、二人共少し前に一度見たことがある。

「寂しくなったら、ウチの隊に遊びに来てもいいんだからね」
「おう!浮竹隊長も、きっとお喜びになるぜ」

ニッコリと笑って言った二人に、ありがとうございます、とユキは告げた。
それから、ああでも、とふと思い出して口を開く。

「浮竹隊長、最近お加減は……」
「ああ、うん。最近は少し崩してたけど、でも今日は大分いいわよ。流石に出歩くのは止められて、悔しがってたけど……」

そう言って、清音は眉を下げる。
ただでさえ部下に優しい浮竹のこと、特に気にかけていたルキアの出立を出向いて見送ってやれなかったことを悔しがる姿はユキにも想像できる。
それは残念でしたね、と眉を下げたユキは、言葉を続ける。

「そういえば先日、浮竹隊長からとても良いお茶をいただいたんです。よろしければ、今からお礼に伺おうかと思うんですが……」
「ああ、問題ねえや!浮竹隊長、その時も御自分で行けないことを悔しがってらっしゃってなあ。穂村の顔も見たがってたし、遠慮しねえで邪魔しな!」

ユキの申し出を、小椿は快く受け入れる。
隣で小椿の言葉を聞きながら、清音もうんうんと頷いていた。
それなら早速、と思いユキがそのことを更木へ伝えようと振り向いた、その時だった。

「ユキちゃーんっ!!!」
「ッ!?」

胸元に、衝撃。
叫ぶように名前を呼びながら、勢いよく抱きついてきたのはやちるで、それを確認しながらもユキの体はぐらりと後ろに倒れる。

というよりも、一瞬体が浮いた。要するに、若干吹っ飛んだ。
幸い、後ろにいた小椿と清音に支えられて、尻餅をついたり倒れこんだりすることは辛うじてなかったが。

「ふ、副隊長……急に飛びついてきたら危ないと前々から、」
「剣ちゃんが、『何やってんだ、早く来い!』って!!」

やんわりと咎めるユキの言葉を遮って、やちるはにっこりと笑って用件を告げる。
その顔に悪びれた様子は一切なく、追求を諦めたユキは代わりにその向こう、離れた場所で焦れた様子を見せている剣八をみとめる。
そちらへ会釈してから、ユキはやちるへと再び視線を向けた。

「副隊長。申し訳ありませんが、先に更木隊長と戻っていていただけますか?」
「どっかいくの?」
「はい。浮竹隊長のところへ、顔を出しに。以前にお見舞い品をいただいたので、そのお礼に」
「じゃあ、あたしも行く!!!」

ユキの言葉を聞くと、ぱあっと顔を輝かせたやちるは、ユキが二の句を継ぐより早く更木の元へ駆けていった。
そうしてなにがしか更木へと告げると、再びユキの元へ戻ってくる。
対して更木は、口元に舌打ちするような動作を見せると、その場を立ち去った。

「剣ちゃん、先戻ってるって!行こ、ユキちゃん!!」
「わっ。ちょっと待ってください、副隊長!」

ぐいっとユキの手を引っ張ると、やちるは走り出そうとする。
幸い、なあに、と止まって振り向いたやちるの視界には、ユキの杖が入った。
思い出したやちるは、そっか、と納得する。今のユキに、やちるのスピードに付き合うのは難しい。
やちるがそれに気づいたらしいことに、ユキと、そして小椿、清音がホッとしたのも束の間。

「じゃあ、ユキちゃんはあたしが運ぶね!!!」

エッ、と。
その場の空気が固まった瞬間、ユキの体が地面を少し離れて持ち上がる。

「うっきーのとこへ、レッツゴー!!!」

ちょっと待ってください、とその言葉がユキの口から飛び出すより先に、やちるは走り出した。
その瞬間、ユキの視界の端に映ったのは、ちらりとこちらへ視線を寄越すも、背中を向けて去る白哉の姿。

再び白哉のことを失念していたユキは、また情けないところを見られた、とやちるに持ち上げられながらも頭を垂れるのであった。

***

「はっはっは、それでそんなことになっていたのか!いやあ、草鹿は力持ちだなあ!」

そうして、辿りついたのは雨乾堂。
やちるに抱えられて登場したユキに目を丸くした浮竹は、少しして告げられたやちるの報告に笑い声を上げる。

「笑い事じゃないですよ、浮竹隊長……」
「いや、すまんすまん。それにしても、もう大丈夫なのか?」
「浮竹隊長よりは、ずっと元気ですよ」

苦笑したユキが「お加減はいかがですか」と尋ねれば、対して浮竹は「今日は調子がすごくいいんだ」と笑う。
言いながら、どこからか取り出したのは飴玉がたっぷり入った袋。
色とりどりの美しく大きな飴玉を、やちるの両手に乗るほどの小さめの袋にいくらか移すと、浮竹はそれをやちるへ渡す。

「わあい!ありがとう、うっきー!!」
「金平糖じゃなくて悪いな。今度用意しておくから、また来ておくれ」
「うん!」

はっはっは、と相変わらず笑いながら告げた浮竹は、元気よく返事をするやちるの頭を撫でる。
ちょくちょく様子を見に来るやちるへ、こうしてお菓子を渡すのも浮竹の趣味のひとつだ。
対してやちるが浮竹のところへ行くと聞いて自分もと言いだしたのは、これが目的である。

「それじゃああたし、先に帰るね!」

目的が終われば、特にすることもない。
すくっと立ち上がったやちるは、そう言うと「ばいばい、うっきー!」と笑って手を振る。
浮竹も笑って「ああ。更木によろしくな」と手を振り返した。
そんな微笑ましい様子に目元を和ませながら、ユキもやちるへ会釈した。

やちるが去れば、雨乾堂には静寂が訪れる。
しかし、完全なる、そして耳が痛くなったり、居心地が悪くなったりするようなそれではない。

水の音がして、風の音がして、人の気配がして。
それは、和やかで心地よいものだ。

「……髪、短くしたんだね」

先に口を開いたのは、浮竹だった。
開いた麩の向こう、そこに広がる池へ放たれた鯉の、ゆるやかに動く尾びれへと目を向けていたユキは、浮竹の言葉にそちらへ顔をやると、はい、と頷く。
ニッコリと笑った浮竹は、「よく似合ってるよ」と告げて、ユキは「ありがとうございます」と口元に笑みを浮かべた。

「体は、本当にもう大丈夫かい?」
「はい。日常生活には支障ありません。ただ、体力や筋力は落ちているので、卯ノ花隊長から退院許可が下りしだい、励もうかと」

それを聞くと浮竹は、心配そうに眉を下げた。
ふむ、と小さく唸ると、まさかとは思うけど、と言葉を続ける。

「また、君の隊長とアレをやるんじゃないだろうね?」
「……」

答える代わりに、ユキは眉を下げた。
それを見て浮竹は、その目に咎めるような色を浮かべる。

「ユキちゃん。君は、そうでなくても女の子なんだ。もっとこう、別の方法を選ばないか?」
「でも、一番手っ取り早いんですよ。実戦的ですし、手を抜かれることもありませんし。なにより、今回の破面の出現から考えればあまり時間は無いでしょうから、短期間でと考えると……」
「言っていることはわかるよ。でもなあ……」

アレ、というのは言うまでもなく『更木との容赦無用の斬り合い』である。
木刀ではなく斬魄刀で、実戦同様に斬り合う。
20年前、十一番隊に配属されたユキが力をつけるために日々行っていたそれの、日々の結果を浮竹は伝え聞いていたし、目にしたこともある。

毎日ボロボロで、生傷も包帯も絶えなかった。
その時のユキもやはり病み上がりだったのだが、そんな相手だろうと更木が手加減などするわけもない。
対するユキも何度でも立ち向かっていくものだから、更木は更に面白がって、ユキに『稽古』をつけていたのだ。

おかげでユキは、確かに強くなった。
度胸もついたし、判断力も集中力も、純粋な力も短期間で飛躍的に上がった。

とは言え、である。

(嫁入り前の女の子がなあ……)

自ら進んで傷だらけになるのを、良しとするほど浮竹は厳しくない。
寧ろ『体に傷のひとつも残ったら』と、心配でならない。
けれど、ユキの気持ちが分からないわけでもないのだ。

そう思いながらユキを見れば、浮竹の無言の視線の意味がわからず、ユキは戸惑った表情を浮かべる。
そんなユキへ、近くにあった小さな台盤を引き寄せると、その上に飴玉をざらりと載せてすすめる。
大量の飴玉を見て小さく苦笑を浮かべたユキは、それでも「それじゃあ」と一粒とって口に含み、その甘さににこりと笑った。
対して浮竹も、目元を和ませる。

――20年前、ユキが日々更木と死闘を繰り広げたのは、『強さ』を求めたからだった。
虚に襲われ、自分だけが生き残った。手にした力を操りきれずに、大切なものを失った。
その後悔から、『護りたいものを護れるように』とユキは力を手に入れるべく、更木の誘いに乗ったのだ。

けれど今回、望んだ強さを手に入れて尚、ユキは白哉にも藍染にも敵わなかった。
結果的にルキアは救われたが、しかしそれはユキの力ではない。

ユキがまた20年前と同じ無茶をしようとしているのは、けして手っ取り早さや期間の短さからだけではない。
今回のことで、また自分の無力を痛感したが故に焦っているのだろう。
そう浮竹は推測して、しかしだからこそ「焦ってはいけないよ」と嗜めることも、「別の方法を探しなさい」と促すことも出来なかった。
ユキに合っているのか、はたまた更木との斬り合いが修行としては効果的なのかはわからないが、それでこの20年、もとい、特に積極的に更木と手合せをしていた一年の間に、ユキの力が格段に上がったのは事実なのである。

浮竹は、ふう、とため息をついた。
止める道理が無い以上、自分が折れるのみである。

「修行もいいけど、怪我をした時はちゃんと四番隊へ行って、治療をしっかり受けること。いいね」
「……はい」

浮竹の優しい眼差しを受け止めて、ユキは頷く。
すると、「よし、じゃあ約束」と浮竹は両腕を広げた。
その意味が分からずにユキが首を傾げれば、おいで、と浮竹。

「京楽から聞いたよ。あいつ、ユキちゃんのこと抱きしめたんだって?」
「は?……は、はあ、まあ……」
「じゃあ俺も、抱きしめたい!」

浮竹の力強い言葉に、ユキは顔を赤らめながらも眉根を寄せる。
正直、意味がわからない。『じゃあ』とはなんだ、『じゃあ』とは。
そんなユキの心の中の問いになど気付く道理もなく、両腕を広げた浮竹は「さあ、遠慮なくおいで」と満面の笑みを浮かべる。

さて、どうするべきかとユキは悩む。
とは言え、悩む意味もなく、取るべき行動は一つなのだが。

「……」

にこにことユキを待つ浮竹。
そんな彼を見て、苦笑混じりに小さくため息をつくと、ユキはそっと傍に寄って、しかしたじろぐ。

普通に考えて、恥ずかしい。

両手を空に浮かべたまま、ユキは固まる。
しかしそれも、すぐに終わった。

「よしっ、捕まえたぞ!」

がば、と。
途端にユキの視界が、白で埋まる。
来ないならこちらから行くぞとばかりに、浮竹の体がユキを包み込んだ。

突然のことに戸惑いながらも、腕の中に収まってしまえば、『相変わらず強引だなあ』と思いながらも、ユキは浮竹の胸に身を僅かに預ける。
そんなユキの頭を優しく撫でながら、浮竹は言う。

「細いなあ。ちゃんと食べてるかい?」
「食べてますよ。隊長こそ、食べてますか?」
「今日は三杯もお代わりをしたよ」

ユキの問いかけに、機嫌よく浮竹は答える。
成程、清音の言うとおり、今日は具合が良いようだ。

「本当は、俺や京楽が見てやれたらいいんだけどなあ」

話は、ユキの修行のことに移る。
至極残念そうな浮竹の声を聞いて、ダメですよ、とユキは笑った。

「お二人共、隊長でしょう。それが時間を割いて他隊の隊士に稽古をつけるだなんて、依怙贔屓がすぎます」
「うむ……」

ユキの言うことには納得できるようで、浮竹は難しそうに唸る。

「お気持ちだけで、充分嬉しいです。いつもよくしてくださって、ありがとうございます」
「そんなの、当然さ。君は僕らの大事な友人の、大事な娘さんなんだから」

僕らの娘も同然なんだよ、と。それは、これまでも何度か聞いてきた言葉だ。
その言葉に目を閉じて、ありがとうございます、とユキはもう一度だけ言う。
ちゃぽん、と池の鯉が尾びれで水面を撫でる音がした。

***

浮竹のもとを後にしたユキは、四番隊の隊舎を訪れていた。
しかし、向かうところは自身の病室ではなく、卯ノ花の部屋。
この時間であれば、彼女は自室で作業をしているはずだった。

とは言え、突然行って会えるものでもない。
ひとまずは婦長あたりにでも聞いてみるかと辺りを探すユキの背に、誰かが呼びかけた。

「あっ、いたいた。穂村三席!」

振り向けば、ぱたぱたと急ぎ足で四番隊副隊長の勇音が寄ってきた。
首を傾げるも会釈するユキに、探してたんですよ、と勇音は告げる。

「卯ノ花隊長がお呼びです。今から少し、お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
「卯ノ花隊長が?」

聞き返したユキに、はい、と勇音は頷く。
勿論、願ってもないことだったので承諾すれば、それじゃあ早速行きましょう、と勇音が先導するのにユキは続く。
それにしても、卯ノ花が自分に話とは一体なんなのか、とユキは考えた。
無茶をしないよう念を押すにしても、退院許可を出すのであればユキの病室へ巡回の時にでも足を運んで、釘を指すとともに一言告げればいいだけだ。

もしかして、この体に何か重大な欠陥でも見つかったのだろうか。
ユキがそんな風に多少不吉なことを考えているうちに、卯ノ花の部屋へたどり着いた。
勇音が声をかければ、どうぞ、と穏やかな声が聞こえる。

「失礼します」

中へ歩み入れば、その中央に卯ノ花は座っていた。
ユキは、その対面に座っている人物を見て小首を傾げる。
ユキを返り見て会釈し、ユキの座るスペースを作るべく横に避けた人物は、これまでユキの世話を中心となって担当していた花太郎だ。

「お座りなさい」

促されて、ユキは座る。
卯ノ花の隣に、勇音も座った。

「お加減は、いかがですか?」
「はい。もうすっかり、傷も癒え、調子もよくなりました」
「そうですか。それは良うございました」

そう言って、卯ノ花はにっこりと笑う。
しかしすぐに、ですが、と否定の言葉を紡ぐ。

「今のあなたは、以前のあなたと比べてすっかり体力も筋力も衰えています。そんな状態で、あなたのところの隊長と斬り合う、なんてことをさせるわけには参りません」

突然の言葉に、思わずユキは言葉を失い表情を強ばらせた。
流石というべきか、完全にお見通しといった口ぶりで、確信をついた卯ノ花に、ユキは小さく肩を竦める。
ほんの少し、怖い表情をしてユキを見つめる卯ノ花は、言葉を続けた。

「また戦えるようにするために、治療する。それは確かに、この隊の存在意義です。どんなに傷を作ろうと、戦士であろうとするかぎり、私たちは患者の傷を一日でも早く、と懸命に治療いたします。ですが、だからと言って怪我をしてほしいわけではありません。傷を負ったら治せばいいと、無謀をしてほしいわけではありません」

強い口調で、卯ノ花は言う。
けれどもその声音は、とは言え、という繋ぐ語気を和らげた。

「あなたのお気持ちが、分からないわけではありません。そして、その方法をとったことによるあなたの能力の上昇率も、けして無視して良いものではないでしょう。なにより今は、来るべき時に向けて少しでも力をつけなければなりません」

ですから、と卯ノ花は告げる。

「あなたの退院、及び、更木十一番隊長との戦闘行為を認めます。――ただし、時間は一日30分。そして、ここにいる山田七席を、あなたの専属としてつけさせていただきます」

卯の花の言葉に、え、と小さく呟いてユキは隣に座る花太郎を見た。
花太郎はユキと目が合うと、へらりといつもの顔で笑う。

「山田七席の言うことには、三席のあなたであろうと、更木隊長であろうと従っていただきます。たとえ定めた時間内であっても、山田七席がこれ以上は無理と判断したら、その時は戦闘行為を速やかに止めていただきます」

この条件が飲めないのであれば、退院を許可することは出来ません。
強い口調で、卯ノ花はきっぱりとそう言い切る。

ユキにすれば、選択肢などないも同然だった。
けれど、これからこの弱りきった体を痛めつけるということを考えれば、卯ノ花の出した条件は逆にありがたいとも言える。
専属が花太郎となると更木の霊圧に当てられはしないかと不安だが、そのあたりは四番隊士となれば副隊長の勇音でも怪しい部分であるし、戦っている間に結界を張って防いでおけばいい。
全て換算すれば、逆に好条件だ。

「わかりました」

ユキは、卯ノ花を見据えて頷く。
そして畳に手をつくと、スッと頭を下げた。

「よろしく、お願い申し上げます」

卯ノ花は、それを見て普段通りの優しい顔で「はい」と頷く。
そして、勇音、と名を呼べば、隣に座っていた勇音が頷いて立ち上がり、隣の部屋へと消えた。

「私が申し上げましたこと、そして山田七席が今後言い渡すであろうこと、必ずや、守ってくださいね。――では、こちらをあなたへお返しいたします」

そう言って勇音が出て行った方へ目を向ければ、出てきた勇音はその腕に刀を抱えていた。
少し短い刀身に、青藍色の柄巻き、そして炎を模した鍔。紛れもなく、ユキの斬魄刀・蒼焔だ。

にっこりとほほ笑みかけると、勇音は蒼焔をユキに渡す。
ユキは自身の刀を腕に抱えて、久方ぶりの重み、その懐かしさに僅かに目を細めた。

「さあ、お戻りなさい。更木隊長が、痺れをきらしているでしょうから」

慈母の如き笑みを浮かべて、卯ノ花は帰還を促す。
花太郎も「行きましょう、穂村三席」と笑いかければ、ユキは頷いて、最後にもう一度礼をしてから隊主室を後にした。




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