とりあえず脱出…?[1/2]



ハ・ミルの村長さん家で一泊し、朝を迎えた。
細かく言うなら、早朝だけど。
隣のベッド二つからは、未だ寝息が聞こえる。
うーん…アルフレドはともかく、ジュード君を起こすのは悪いから外にでも行こうかな。
こっそり音をなるべく立てずに着替えを済まし、俺は商売道具だけを手に部屋を出ようとした。

…とその前に、悪戯くらいはいいよね♪
昨日は、俺がジュード君の前で人殺しができないことを利用して変なことばっかりほざきやがったアルフレドの額に油性のペンで大きく一文字。
ここはありきたりの肉…だとつまらないから腐らせておこうかな。
ついでに、手描きの鼻汁と貴族みたいなクルクル巻いた髭も着けとこう。
そして最後の仕上げに華麗な睫毛。

フフ、どこからどう見ても怪しい人だなぁ。
アルフレドにはお似合いだね。






今度こそ俺は村長さん家を後にした。
さてと、どこで暇つぶししようかなぁ。
今日のオヤツの材料でも確保しに行こうかな?
パレンジやナップルなど、取れたてで美味しい果物がここハ・ミルには揃ってることだし。
…よし、そうしよう。

まだ人の気配が少ない村を、俺は歩き始めた。
外に出ている人といえば、店の準備をしている人たちばかり。
朝日を浴びながら、汗水垂らして働いている。

グミくらいは買っておくべきかな?
キジル海瀑越えは結構大変だし。
18歳くらいの時、挑戦してクタクタになってニ・アケリアに着いた記憶がある。
もうあんな思いはこりごりだし、何よりジュード君にそんな疲れることはさせたくない。



……あ、そうだ。
まだ道具屋は開店時間じゃないや。
俺って馬鹿だなぁ。
いや、これはジュード君が可愛すぎるのがいけないってことにしておこう。
可愛すぎて、愛護したくなっちゃうのがいけないんだ!
可愛いのも、罪だなぁ。


よし、道具屋も開いていないことだし、本来の目的通り果物を確保しに行こう!!







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