最高最悪の再会[1/3]



「久しぶり、イウ」

「うん。久しぶりだね、ジュード君」


俺は今イル・ファンにいる。
夜域なのだから当たり前だけど、いつ来ても真っ暗。
けど、照明が美しい街。

ここに来た理由は、目の前の少年に会いたいと思ったから。
10年間旅をしてるからなかなか会えない、弟のような存在のジュード君。
最後に会ったのは1年も前だ。
…身長は結構伸びたね。さすが成長期!
懐かしいなぁ。昔はあんなに小さくて、出産のときエリンさんに付き添ってたし。
オムツも替えたっけな。


「…ねぇイウ。何、考えてるの?」

「昔のこと。ジュード君のオムツを替えたりしてたあの頃が懐かしいなぁ、て」

「わああ!!///ま、まだそんなこと憶えてるの!?///」

「うん、こと細かく憶えてるよ。ジュード君との思い出だから」

「ば、馬鹿!!」


鳩尾にジュード君の拳が埋められる。
俺は低く呻いてその場にしゃがみこんだ。
さすがにジュード君もやりすぎたと心配してくれたらしく、治癒功!と精霊術で癒してくれる。
やっぱり本物の霊力野はいいなぁ。
効き目が早い。

暫くして立ち上がると、俺はジュード君の頭を撫でる。


「もうそろそろ帰った方がいいよ。もう遅いし」

「イウ、ここはいつでも夜だよ?」

「…あ、そうだった。でも本当にもう遅いよ」

「うん、そうだね。…じゃあ僕戻るよ。また、来てくれる?」


もちろん、と笑うとジュード君は嬉しそうに微笑んだ。
やっぱり可愛いなぁ。

……明日にはここを出なくちゃいけないんだよなぁ。
でも嫌なんて言ってられないよね。
それじゃ旅してる意味ないし、ジュード君にも迷惑かける。

俺はジュード君の頭から手を離した。


「またね、ジュード君。また近い内に会えるのを楽しみにしてるよ」

「うん。…あ、たまにはル・ロンドにも行ってあげて。レイアも淋しがってると思うから」

「レイアちゃんか…そうだね。あの子にも1年会ってない」

「長いよ。……それじゃ」


俺に手を振りながらジュード君は走っていった。
…俺も宿に戻って明日の準備しなくちゃいけないなぁ。






prev next
TOP
back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -