「ねぇねぇ真ちゃん。」
俺の話、聞いてよ。
周りの声なんか聞かないでさ。
泣かないで。
傷つかないで。
「なぁ、高尾。」
周りなんて見るな。
俺だけを見ろ。
「どうして…俺は……」
真ちゃんを庇って上げれなかった。
周りの声から、真ちゃんを守って上げられなかった。
「どうして、高尾まで…」
高尾を巻き込んでしまった。
いじめられるのは、俺だけでよかったのに。
視線の中に引きずり込んでしまった。
「ねぇ、真ちゃん。どこか遠くへ行こうか。」
「あぁ、いいな。」
「海とかどうかな?」
「山もいいのだよ。」
「えー…俺は海がいいよ…
最後のわがままだと思ってさ。」
「仕方が無いな。
その代わり、手をつないでいて欲しいのだよ。」
「はは、仰せのままに。」
でもね、どんな声も視線も。
二人なら怖くないよね?
二人ならどんなことでもできる。
二人で一緒に逃げるんだ。
「「来世でもまた相棒に…」」
その声は海の中へと二人を誘いながら消えていった。
重い短い雑い。
でも気分がこんな感じだからこんなのしかできなかったんです(´・ω・`)