僕らの歪んだ恋の話

池袋の喧嘩人形。
池袋で金髪のバーテンダーは赤信号より危険だと言われている。
まるで、人間ではないかと思うくらいのバカ力で。
いろんな物を破壊し続ける。
怒りに任せて次々と壊してゆく…
俺は…
壊されてしまったのかな…








「いーざーやー!
てめえ、もう池袋ん来んなっていってなかったっけっかー!」
標識を片手に俺を追いかけてくる。
まあ、そんな攻撃じゃあ当たんないけどね。
「全然当たってないじゃん。」
そう言って、彼を嘲笑う。
しかし…
「っ!
なにこれ…」
木を飛び移って降りた足元には深い穴。
ここは公園のはずだから、こんな大きな穴なんて存在しないはず。
まさかシズちゃんが?
いや、あの単細胞生物がこんな罠を思いつくはずがない。
冷や汗が止まらなかった。
とても深く、大きな穴。
さすがの俺でも落ちたらヤバイ。
死にはしないだろうが骨折して脱出は叶わないだろう。
仕方ない。
あの弟バカに助けて貰うか。
弟君の隠し撮りでも渡せばいくらでも助けてくれ__
「臨也!」
「え…」
ふわっと俺の体を何かが包み込む。
ほのかにタバコの匂いがした。
そして…
俺の意識は何処かに飛んでいってしまった…










暖かい…
とても心地よい暖かさだ…
少々、タバコの匂いがあるがとても暖かく気持ちよかった。
でも、なんで暖かいんだろう…
今は秋と冬の境目なのに…
俺は…
穴に落ちて…
「っ!」
「おう、起きたか。」
目が覚めたら隣に上半身裸のシズちゃんがいた
服は俺にかけてくれていた
体が軋む…
でも、足は折れてない。
「まったく、お前はホントに貧弱だなぁ臨也くんよう。
俺が下敷きになったはずなのに、落ちた衝撃でお前の方が気絶したんだからなぁ。」
「それはシズちゃんが頑丈なだけでしょ。
というか、この穴何?」
「ああ、それは宝の地図的な何かを発見した遊馬崎と狩沢が掘ったんだよ。
その話にサイモンがのって掘ったらこんなに深くなっちまったんだ。
で、埋めるのが面倒だからこのままにしてあるそうだ。」
「そう…」
まあ、仕方ないっちゃあ仕方ないか。
でも、こんなとこにシズちゃんと二人っきりとか最悪だ。
早く脱出しないと―
「むふ!」
いきなりシズちゃんがキスをしてくる。
いくら穴の中といえどもまだ昼間。
上からは太陽の光が差し込んでくる。
「ちょっ…
なんで盛って…
服脱がすな!」
「てめぇがエロいのがいけねぇんだろうがよ。」
「はぁ!?
ちょっと…
本気で…ひゃあ!」
シズちゃんの冷たい指先が俺の体を這っていく
「大人しくするんなら優しくしてやるぜ」
耳元でそう囁かれて、俺は体から力が抜けるのを感じた――












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