彼らの日常…?
「死ね、土方!」
「うおっ!!」
いきなり自分へ飛んできたバズーカに、土方は短く悲鳴をあげた。
寸前で避け、尻餅をつくと飛んできた方向を睨んで立ち上がる。
「総悟ぉ!お前、屯所で何ぶっ放してんだ!!当たるところだっただろうがぁ!!」
「チッ」
「チ、じゃねぇよ!」
「いやぁ、要らない虫が見えたんで殺してあげようとおもったんでさぁ」
「おいコラ。その虫って俺のこと差してんじゃねぇだろうな」
「ご名答」
襟首を掴んで揺さぶられている状態で、沖田はバズーカを握り直した。
もちろん、それは土方に向いている。
「…死んでくだせぃ」
爆音が屯所内に響いた。
だが土方の安否を確認する者は誰もいない。
皆、巻き込まれたくないのだろう。
楽しそうにケラケラと笑い、沖田はその場を後にした。
黒焦げになり頭をアフロと化した土方は、沖田が立ち去った後にむくりと起き上がる。
「あの野郎……覚えてやがれ」
軋む身体を壁で支えながら土方は自室へと歩きだした。
夜が更け辺りが闇に包まれた頃、屯所内をひっそりと歩く影があった。
咥え煙草に、ポケットに突っ込まれた手。
その全てが月の明かりに影として現れていた。
土方が向かうのは、ある男の部屋。
目的地の前に辿り着いた土方は、煙草を消すとこっそり音を立てないように部屋に入る。
中に敷かれた布団は微かに上下し、目的の人物がいることを語っていた。
ニヤリと笑った土方は、布団の上から男に…沖田に跨がった。
突然の刺激に目が覚めた沖田は、目の前の人物に目を見開いた。
と同時に、動かせない身体に驚愕する。
「土方さん、こりゃ一体何のマネですかぃ?」
「てめぇの行動粛清してやりに来たんだよ」
厭らしく笑う土方に、柄にもなく沖田は焦りを感じていた。
土方の手が、沖田の衣類の中へと侵入する。
何かを探るようなその手の動きに、沖田は若干震えた。
「覚悟しやがれ」
「っ、土方さん…アンタ……」
その後、副長と一番隊隊長の間に唯ならぬ空気が流れたと噂されたが、その真偽は彼らしか知らない。
→あとがき
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