醒めない"夜"
「私の命令が聞けるな、リオン?」
「っ……はい」
頷くしか、できなかった。
醒めない"夜"
どれだけの時間が経ったのだろうか。
「…あぅ、あ、っひゃ、あっ」
リオンが男娼として犯され始めてから。
暗い部屋の真ん中で、ベッドの上で、二人の男に挟まれ喘ぐリオン。
その表情は溶けきっていて、涎やかけられた男たちの精液で汚れていた。
部屋の片隅では、ヒューゴが声に出さずに嗤う。
「いかがですか?」
「良い具合ですよ。調教もきっちりとされていて」
下衆に笑う男は、己の上で背を仰け反らせて乱れるリオンを大きく持ち上げては容赦無く落とした。
リオンはその度甘い声を撒き散らす。
"いつも通り"の行為に、
"いつも通り"腰を振るリオン。
馴れている動きに、初心な反応。
それらは男を煽るには充分すぎるほどの魅力だった。
奉仕をさせられると、男が悦ぶような舌使い。
ヒューゴに教えられたものだ。
「ん…ふむっ、ぁ…」
また、人形のように整った美しいリオンの顔が白く彩られていく。
かかった液を艶めかしく舐めとれば、男達は更に高揚してゆく。
その向こうで、ヒューゴはニヤリと嗤うだけ。
(……下衆が…っ)
眼鏡の下でほくそ笑むヒューゴを男達に隠れて睨みつけるが、そんなことに効果はない。
ふと、男達がリオンの視点に気づく。
「父に見られながら犯される気分はどうでちゅか、"リオンちゃん"」
「ほらほら、休んでる暇はないぞ」
「や、ぁあ!あっ、あ!あう…っ!!」
今晩幾度目とも分からない律動が始まった。
男達は、リオンを支配しているという優越感に浸り気づかない。
リオンがヒューゴを見ていたワケを。
end.
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