春を超えて夏も越えて、秋めいた節に冬を感じさせる冷たい北風。 サンフラワーのアパートから見える大きな大きな一本の木。 赤や黄色に色づいた紅葉がひらひらと落ちていく。
「窓から見えるあの木のね。あの葉が落ちた頃、オレはもう・・・。」
それを自室から遠い目で見ていたユーヤ。
「ユーヤ!?いきなり何を言い出すんですか!?」
体調管理が厳しい昼と夜の気温差で、ついに風邪を引いてしまった彼。 朝から訪れていたユーキとヒナに見舞られながら、ゲホゲホゼェゼェと辛いはずなのに、病弱ヒロインごっこを見事にやりきる。
「もう寒いのやーだーっ!夏が恋しいよ〜。げほごほ。」
「それ前は逆のこと言ってませんでした?」
「38度か。熱高い割には元気そうだね」
体調は良くないけれど、とりあえず元気なので心配はご無用。
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