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仮面優等生の歪いた愛欲

この瞬間だけでも、俺を愛して・・・。
完結][既婚者教師×仮面優等生(主人公)][略奪愛]


EP.11「・・・ごめんなさい」(2/5)
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翌日の放課後。
自習室に向かっていた途中で、福原とバッタリ遭遇。
ここ最近、生徒会の方が忙しかったようで、偶然とは言え、こうして会うのも久しぶり。

「嬉しいな〜。こんなちょっとした時間で浬に会えて、しかも抱きつけるなんて。」

「福原さん、ちょっと・・・っ。こんな人目が付くような場所で抱きつくのやめ・・・っ。やめろバカ(小声)。」

抱きついてきた腕を思いっきり抓って回避したが(もちろん周囲に他の人がいないことを確認した上で)、こんなやりとりも久しぶり。

「いてて・・・、もう素の浬はつれないなー。それより今日もこれから自習室?」

「まあ・・・。」

「頑張るね〜。テスト終わったばっかりなのに。」

けど俺のこれからの予定を聞いて何を思ったのか。
うーん・・・と少し考え込む福原。
そして心配そうに、そう尋ねてくる。

「・・・やっぱり今回のテストの結果、気にしてる?」

「・・・・・・・・・。」

しかし俺はその答えを素直に返せなかった。

「あんまり根を詰めすぎるのもよくないよ?浬。」

「・・・・・・・・・。」

いや、違う。そういう理由じゃない。
テストの結果を気にしてるか?と言われれば、冒頭で述べたとおり答えはノー。
今回は苦手な数学が特に悪かったから次までには!という思いもあるけれど、今は勉強以外したくない。
余計なことを考えてしまいそうだから、勉強することによって、それを避けていたいだけ。

「じゃあさ、浬。今日、ボクと一緒に帰ろ?で、商店街で寄り道して甘いモノでも食べに行こうよ。」

「え・・・っ。」

「浬は甘いモノ何が好き?アイス?ケーキ?クレープ?」

すると福原は、俺を気晴らせようとしているのか。
「そういう時には甘いモノが1番だよ」と、パアッとした顔で誘ってくる。

「ー・・・っと言っても、このあとまだ会議あるから。終わるまで少し時間あるけど。」

俺はそんな彼の明るさにつられたのか。
それともこの心をどうかしたくて利用しようとしているのか。
その誘いにコクンと頷く。

「って、本当にいいの?!ボクとちょっと遅めの放課後デート!」

「気晴らし程度なら、ちょっといいなって思っただけ。デートなら行かない。」

「え!?あ、ウソウソ、デートっというのはウソウソ。でも浬と寄り道したいのはホント。終わったら絶対に連絡するよ。待ち合わす場所は昇降口でいい?」

すると福原は俺の返事に、ニッコニコな顔で大喜び。
あれこれそれこれ、いきなりだったけど色々と打ち合わせて、それで互いに問題なければ決まり。
さっさと会議終わらせてくると、上機嫌に意気込んで生徒会室へ向かって行った。







そうして俺も福原から連絡入るまでは自習室へ。
ここは勉強に集中したい人向けに設けられた勉強専用スペース。
私語厳禁だから普段から静かな教室だが、テスト明けと部活動が再開した為か。ここにいるのは俺1人だけで、いつも以上にシンとした音を感じる。
どの席も机に仕切りがあるが、俺は特に目立たない隅の席に座り、いつもどおりに先ずは数学の勉強を始めた。







「・・・ん。」

それからどれだけの時間が流れたのだろう。
ふと気付くと机にうつ伏せて、いつの間にか眠ってしまっていた。

(外から聞こえてくる運動部の掛け声って一定間隔だから、ずっと聞いてると眠くなってくるんだよな・・・。)

福原からの連絡はまだない。
どうやら生徒会の会議は、今も続いているようだ。
うっかり寝ていた間に逃してなくて、ちょっとホッと息を吐く。
そして勉強も再開させようとしたその時、

「ー・・・そこの問い、違ってますよ。錦くん。」

「え?」

彼はいつからここにいたのだろう。

「神崎・・・先生・・・っ。」

なんと隣の席に神崎先生がいて、そこから俺のノートを見ていたのだった。

(なんでここに!?)

「驚かせてしまってごめんなさい。自習室の前を通ったら誰かいる気配を感じて、見回りついでに入ったら錦くんが1人でいたのでつい・・・。」

「・・・・・・・・・。」

突然で。
いきなりで。
目を覚ましたら神崎先生が隣にいたから、本当にびっくりして、思わず肩を一瞬だけ竦めてしまう。



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