だけど窓から差し込む夕日を浴びながら演劇を合わせ中、
「鳴。今日はもう帰りな。」
「え!?」
輝夜部長からそう指示が入る。
「勧誘会(本番)までもうじきなのに何?その腑抜けた態度。自分が演じる役に申し訳ないと思わない?」
「ご、ごめんなさい輝夜部長。しかしこれには訳があって、俺はまだやれます!」
「言い訳しない。腑抜けた理由がどうであれ、部の空気を乱した罪は重い。今日はもう帰りな。」
そんな気持ちが、いつのまにか表に出てしまってたのだろう。 役に演じきっていたつもりだったのに、結局それはつもりでしかなくて、輝夜部長に勘づかれておしまい。 このまま引き下がりたくなかったけど、他の部員からも「今日はもう大丈夫だから」と気をつかわれてしまう。 だからこれ以上申し訳ないことしたくなかったから、言われたとおりにおとなしく部室を後にして寮に帰ろうとした。 そのとき、
「ーーー!?」
一通の手紙が。俺の下駄箱からハラリと落ちてきた。
渡部 鳴海様
いきなりこんな手紙を渡してごめん 前から思っていた気持ちを 直接だと緊張して言えから手紙で伝えます
ずっと貴方が好きでした
部活や勉強で頑張っている姿 友達と話している時の笑顔に惹かれて ずっと前から気になってしょうがなかった もしよかったら、付き合ってもらえませんか? 渡り廊下で返事まってます
その手紙の中身は、見覚えありまくり。 差出人の名前がなくても、今度のは手書きだったから筆跡だけで直ぐに誰なのか分かった。 だから俺は今度こそ、この手紙を読んで差出人が待つであろう渡り廊下へと直ぐに向かった。 するとそこには、
「またお前か。・・・空!」
やっぱりという予想通りで、あの差出人2人のうちの1人、空がいた。
「来るの早かったね。演劇部、今日は夜までじゃなかったの?」
「誰かさんのせいで機嫌が最悪なのを部長に勘づかれて、帰れって言われたから帰らされた。」
「そうだったんだ・・・。」
|