そして日が暮れて夜になり、晩ご飯ご馳走になって程よい時間になったら、今日の勉強会はここまで。 玄関の柵の外まで篝が見送りに来る。
「先輩、大丈夫?もう外暗いし、やっぱ家まで送ろうか?」
「くんなバーカ。」
その頃にはオレもオレの調子を取り戻していた。
「それじゃあタカシ先輩、また明日。」
ここでいつものようにバイバイを交わして、ここでいつもオレは帰り道を急ぐ。 けど今日は帰るフリをして、柵を開けて戻ろうとしていたタイミングで奴の名前を呼ぶ。
「篝。」
「え、何?何か忘れ物ー・・・ッ!?」
その不意を打って篝の胸ぐらを掴み、力任せに自分に引き寄せて、その唇を強引に塞いでやった。
やられっぱなしは、糞ムカつくって気づいたからー・・・。
それを一瞬で例えたら遅いけど、でも直ぐにオレから解放。 掴んだ胸ぐらを今度はドンっと押して退かし、服の袖でゴシゴシ自分の口を拭う。
「・・・じゃあな。」
「え。ちょ!?先輩!?!?」
そして今度こそ、いつものように帰り道を急いで帰っていく。 篝の反応なんて知らない。絶対に後ろを振り返らずに。
「〜〜〜・・・今のは反則でしょ。」
あれから篝はこっちに隙が生まれれば確実に狙ってくる。けどオレはそうじゃない。友達として篝と付き合っていた。 築くこの関係が、余計な火を付けさせていること。 そんなに篝に落とされる覚悟、オレは本当に出来ているのだろうか。 物語は月日を越して、雪の夜に続くのでした。
To be continued…
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