続きです。予想外に長くなって収拾がつかない小ネタ。 翌日の放課後、部活が終わるまで教室で課題をして時間を潰し昨日と同じくらいの時間に坂ノ下商店に向かうと何やら黒い集団が目についた。背中には烏野高校排球部と白い文字。 「あれ? みょうじじゃん。こんな時間まで何してんの?」 「あ、菅原君」 黒い集団の中にクラスメイトの菅原君がいた。周りの人たちも黒いジャージを着ているから部員だろう。その中に昨日の彼もいた。 「あ、昨日の…」 「うす」 昨日は制服だったから分からなかったけどこの人バレー部だったのか。 「えーなになに、みょうじと影山って知り合いだったの?」 「昨日、少しね」 「ふーん?」 影山君っていうんだ。一年生かな? それにしても大きい。正面に立たれると見上げなくてはならない。 「これ、昨日のお礼です」 影山君が差し出してきたのは澤村君に奢ってもらったと思しき肉まん。半分にちぎってどうぞ、と、わたしが受け取るのを待っている。 貰っていいのか、とても迷う。これはバレー部のために買ったものだろう。全く関係のないわたしが貰っていいのか。 中々受け取らないわたしに影山君が痺れを切らした。 「カレーまんの方が良かったですか?」 「えっ、いや、そんなことない! ありがとう」 きょとんと首を傾げた影山君に慌てて受け取ると満足そうに残った半分を食べ始めた。 「おい影山ァこの人とはどういう関係だよ!」 坊主の人が声を上げた。見た目は、少し怖いかも。 「カレーまんを分け合った仲です」 「それってどういう!?」 帰宅部のわたしにバレー部の知り合いができました。 |