小ネタ | ナノ

ハイキュー!!熱が凄いので一つ。アニメしか見ていないうえに手探り状態なので口調が違うなどあると思いますが…! それでも問題ない方はどうぞ…!


学校帰りに坂ノ下商店に寄ることは珍しかった。その日は遅くまで学校に残っていたから何となく、お腹が空いた。買い食いは良くないと思いつつも足はしっかりと坂ノ下商店に進みカレーまんを購入する。買ってから、母が今日の夕食はカレーだと言っていたことを思い出し、肉まんにすればよかったと後悔一つ。だが空腹に勝るものはない。
お釣りを受け取り店の入り口に向かうと背の高い黒髪の男子とすれ違った。黒の学ラン。同じ高校の人だ。背が高いから三年生だろうか。その人もカレーまんを購入しようとしたが、わたしので最後だという。そっスか、と言ってはいるものの、よほど食べたかったらしい。わたしのカレーまんを一瞥した。そして目が合ってしまった。
黒髪の彼は慌てて目を逸らしたが落ち着きがない。ちょいちょいと手招きをして店の外に一緒に出る。
何ですか? と首を傾げる彼にカレーまんを半分にちぎって差し出した。

「……食べる?」
「えっ、いや、でも」
「いいからいいから」
「……いいんですか?」
「どうぞ?」
「あ、あざす!」

もぐもぐと勢いよく食べ始め、さすが育ちざかりの男子だと思う。そんなに早く食べたら腹に溜まらないだろう。よほど空腹だったのか。もしかして、運動部なのだろうか。
じっと見ていたことが気付かれたようでさっと視線を落とした。苦し紛れにわたしもカレーまんを頬張る。
カレーまんって美味しい。帰りが遅くなったときはまた来ようかな、なんて考えを巡らせていると、もうすでに食べ終えた彼が何か言いたげに口ごもっていた。

「…あ、あの、明日も来てくれますか」
「え、なんで?」
「お、おおお礼、お礼、したいっス」
「え? ああ、ありがとう。気にしなくていいよ?」
「…いや、でも、」
「…分かった。楽しみにしてるね?」
「うす」

じゃあ、また明日、と手を振って彼と別れてから気が付いた。
あの人誰だろう、と。明日また会うのなら名前くらい聞いておけばよかった。学年も名前も何も分からない。
まあ、明日聞けばいっか、と最後の一口を飲み込んだ。

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