ドルチェ | ナノ

面接、クリアできました! というのも人手が欲しかったらしく簡単な質問を三、四個されただけ。それでも受かったことを報告するとお妙ちゃんも新八君も自分の事のように喜んでくれた。まるで高校受験に成功した時のように。その日の夜は大いに盛り上がった。赤飯を炊いたり少しだけ贅沢。
仕事は明日から。今からうきうきする。これでようやく収入減が確保された。
翌日、張り切りすぎてよく眠れなかった。我ながら遠足前の小学生みたいだ。新八君の作った朝食を食べバイト先の茶屋へと向かう。仕事内容は主に接客。人と接するこのが好きなわたしにとっては天職といっていいだろう。
新八君とお妙ちゃんに見送ってもらいいざ茶屋へ! と思ったら新八君がついてきた。万事屋に行くまでまだ時間があるんだって。

「銀さん達にお団子でもと思って」

あと、琥珀さんの新しい職場がどんなことろか気になるんですと付け足した。それを言っている時の新八君の眼、いつもより鋭かった、ような…。それでも知人がいるというのは何だか心強い。

「わたしのお客さん第一号になってね!」

にこっと笑うと新八君も笑ってくれた。店に着くと私は店長に挨拶。新八君はメニューを見ている。店長は優しそうな親父さんだった。
新八君はみたらし団子を選びレジへと持ってくる。店長に練習としてやって見なさいと言われたので会計へ。レジの操作は旅館で身に付いたから問題ない。といっても全く同じではなかったので苦戦。ピッとボタンを押すと間違えたようでレジが開いた。当然、予想もしていない出来事で避けることもできずあばらに直撃。

「むおおぉう…っ」

変な声が出た上に痛みに悶えていると新八君がオロオロ、大丈夫ですか!? と狼狽えている。

「おかしいな…レジは使えるはずなのに」
「慣れですよ、慣れ」

なんとか会計を済ませお釣りを渡す。初めから失敗した姿を見られ新八君は終始心配そうな顔をして万事屋に向かっていった。

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