青林檎の微熱 | ナノ

放課後、火神と黒子は何故か険悪な雰囲気を醸し出していた。部活にまで影響が出るほどではないが。よく見ると黒子が一方的に火神に邪気を放っている。二年生たちはなんだなんだと興味津々。小金井が思い切って聞いてみると、

「火神君が蓮見さんを泣かせたんです」
「泣かせてねーよ! 泣いてないって本人が言ってただろうが」

話が読めずポカンとする二年一同。黒子と火神のざっくりとした説明でなんとか理解をしたリコが分かりやすくまとめた。

「…つまり火神君が後ろから黒板を消すのを手伝ったらビビった、と」
「まあ…後ろに立つ火神を見上げたらそりゃ吃驚もするわ」

各々が千夜の気持ちを理解しうんうんと頷く。リコは何かを閃いたように口を開いた。千夜は男が苦手なのではないかと。まっさかーと笑い飛ばされるが同じクラスである黒子が顎に手を当て、千夜の言動を思い返す。目があえば瞬時に逸らされ、会話をしようものなら赤面し、関わろうとすれば逃げられる。これでは完全に。

「苦手、というより完全に怖がってますね。特に火神君を」

かといって黒子もまだ怖がられているようで話すときは赤い顔を隠すための、教科書のバリケードがある。それがなくなれば彼女と仲良くなれたと認識をしてもいいだろう。いつか、いつか僕は火神と違って怖くないという事を知ってほしい、とか思った黒子。
部活を終えこっそりバスケ部の見学に来ないかと誘おうと考えていた。これもいつかで構わない、もっと千夜が黒子を怖がらなくなったらで。
一方リコは火神をそんなに怖がる蓮見千夜に興味がわいた。社会に出れば男なんてわらわらいると彼女の将来に不安を覚える。
丁度、人手も欲しい。

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