「出かけてくる」 「どこ行くんですか?」 「どこでもいいだろう」 「何時ころ帰ってきます? お昼には戻ってきてくれますよね?」 「知らん」 「いってらっしゃーい」 「いってき…言う訳ないだろう!」 「ちっ。もう少しだったのに」 刀を腰に差し手裏剣を鞄に詰め込み1人で外出。アオイはソニックという話し相手がいない退屈をテレビで誤魔化した。 一方ソニックは。 「今日こそお前を殺す…と言いたいところだが」 「お?」 「もう昼だ。家で猫が待ってるんでな。命拾いしたなサイタマ!」 「おう」 「何しに来たんでしょうね」 「…アイツ、猫飼ってんのか」 とある忍者とヒーローの会話を少女は知る由もない。 *** 鍵を開ける音が聞こえアオイは玄関まで転がって移動した。タイミングよくドアが開きソニックを出迎える。時間はちょうどお昼時。 「ソニックさんなら帰ってきてくれるって信じてました!」 「まあな」 「お昼ご飯なんですか? 今日は暑いからそうめんがいいです」 「猫には猫飯で十分だろう?」 「とか言ってそうめんを茹でてくれるソニックさん最高」 ずいぶん低い位置にある頭を撫でそうになったのも、きっと気の迷いだと自分に言い聞かせて。 猫はいつの間にか懐いておりました。 |