君と過ごした一週間 | ナノ
「……おい」

「………」

「おい、」

「………」

「おい! ミコト!」

「んぁ!? ごめん、寝てた、なに?」

「口の端に何かついてる。間抜け面を晒してよくまあ眠れるものだ」

「うそ、やだ、恥ずかし! お昼使ったデスソースだこれ…って言うかさっき名前呼んでくれた?」

「気のせいだろう」

「そうだ! ソニック君聞いてよ、わたし昨日脱走した受刑者捕まえたんだ。どうだ、驚いたか!」

「(それでその足の怪我か。俺なら容易くこなせる仕事を)」

「褒めてくれてもいいんだよ」

「よくやった」

「いっそ清々しいほどの棒読みをありがとう」

ピピピピピ…

「あ、ごめん、電話だ」




「ソニック君、ちょっと急ぎの用事で来ちゃった。行ってくるね。わたしとお喋りできなくて寂しくて泣いてもいいんだよ」

「ほざけ」

「ふふっ、じゃあ行ってきまーす」

「もう帰ってこなくていぞ」

「またまた、憎まれ口を。ふふん、戻ってきたらわたしの勇士を耳にタコができるほど話してやろう」

「で、どこに行くんだ」

「…怪人が、出たんだって」

「なんだと。待て、行ってどうする。お前に何ができる。女のお前に、なにができるんだ」

止められなかった金曜日
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