「ソニック君っていくつ? 結構若いよねー。因みにわたしは19です」
「聞いてない(19!? そんな齢で看守が務まるものか。親のコネ?)」
「…ソニック君、今、親のコネかなんかだと思ったでしょ」
「!」
「あは、当たり? まあ、少なからず親の力もあるんだけどさ。わたしだって頑張ってるつもりなんだけどな。親のおかげ、七光り、何にもできないただのお飾り。そんな風に見えるのかなぁ」
「ずっと疑問だったんだが、お前たちは俺を厄介な暗殺者、としてここに置いているわけだろ。何故お前が俺を見張る?」
「ソニック君を護送するまで拘禁しておくことができれば、少しはわたしのこと認めてくれるかなって。でも1秒あれば抜けられるんでしょ?」
「……チッ」
「え、うそ、まさか本当に抜けられないの?」
「つまりお前は年齢と性別のために相手にされていないのか」
「(ぐさり)話を逸らしたー」
「……時間が解決してくれるんじゃないのか? 実力があるなら自然と評価されるものだろう」
「もしかしてわたし励まされてる?」
「署長の娘が1人で外回りをする理由も解せん」
「リーマンの飛び込み営業と一緒だよ。足を動かして成果をもぎ取るの。もしかしたら指名手配犯がいるかも、賞金首がいるかもって。捕まえて豚箱にぶち込んでやるんだから。それに、」
「それに?」
「…あー、やっぱり内緒」
「なんだ、言え」
「やだ」
「気になるだろう」
「ここにはわたしの居場所なんかない。ソニック君しか話をまともに聞いてくれる人がいない。君の拘留だって無理言って任せてもらった仕事だし。どうせ失敗するって思われてる。全く期待されないって、悲しいことだよ」
打ち明けた水曜日